強い精神力を身につける“剣豪の奥義”

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 剣豪のように凛とした雰囲気を持ち、いついかなるときでも冷静に勝負にのぞみ、そして勝つ。そんな精神力を身につけることができたら、怖いものなしだと思いませんか。

 柳生新陰流は、祖を上野国の剣豪・上泉伊勢守信綱とし、弟子の柳生宗厳に引き継がれ以来、450年近くの歴史を誇る剣術兵法です。
 その新陰流の第22代世宗家となる柳生耕一平厳信さんが執筆した『負けない奥義』(ソフトバンククリエイティブ/刊)は、柳生新陰流の正統第3世にあたる柳生兵庫助が書き、その奥義を伝える口伝書『始終不捨書』をはじめ、柳生新陰流にまつわる様々な文献を読み返しながら、今に伝わる「負けないための奥義」を伝授します。
 ここでは、そのエッセンスの一部をご紹介しましょう。

◆昨日の自分に今日は勝つ
 「一文は無文の師、他流に勝つべきにあらず。きのふの我に今日は勝つべし」
 これは、柳生新陰流政党第二世・石舟斎が残した『柳生家憲』の一節です。その意味は、少しでも自分より優れた人がいたら、その教えを謙虚に仰ぐべきという金言とともに、凌駕すべきは自分自身であり、自分の心と向き合い、昨日の自分に勝てるように日々向上する大切さを説いています。
 外部に惑わされないために、自分自身をライバルとし、向かっていくことが大切なのです。

◆正しい行いを貫き通す
 江戸時代中期に柳生新陰流の研究を行った長岡桃嶺は、「自らの良心に従い、自らを律することが勇の原点である」と述べています。
 他人の目があるところでは常識的に行動している人でも、誰も見ていないところでは規律が少し緩み、ズルをしてしまう弱い心を持っているものです。何事にも臆さない勇気を養うためには、自身の良心に照らしてやましいことがないように、行いを絶えずコントロールしなければいけません。
 「弱い心に負けないで、いかなる状況でも良心に従って正しい行いを貫き通す」、これこそが勇気の源であると柳生さんは述べています。

◆学び方の真髄「三摩之位」
 三代目となる柳生兵庫助が著した『始終不捨書』の冒頭に、「三摩之位」という学習論が掲げられています。「三摩之位」は、円の上に三つの点が打ってあり、それぞれ「習い」「稽古」「工夫」を表しています。
 この円は、「習い」、「稽古」し、自分で「工夫」することを繰り返してこそ本当の学習であることを表現しているのですが、柳生さんは3つめの「工夫」がポイントだといいます。「工夫」は今風の表現で言い直すと「気づき」であり、これをすることで、理解できる範囲が広がり、また違う世界が見え、さらなる高みを目指すことができるのです。

 柳生新陰流の教えは、技だけでなく心の鍛錬も重要視します。
 小手先のテクニックだけでは、この厳しい時代を生き抜いていくことはできないでしょう。「重要な商談が待ち受けている」「大一番の試合がある」といった大勝負のときに自分の力を最大限発揮したいときに、柳生新陰流の教えは最大の武器になってくれるはずです。
(新刊JP編集部/金井元貴)



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