by Zip250

モナコ公国のモンテカルロ市街地をコースとして行われるF1のモナコGPは、他の多くのサーキットとは違ってひたすら真っ直ぐなストレートなどが存在せず、とにかくオーバーテイク(追い抜き)をしにくいコースとして知られています。同時に、ドライバーの技量が問われるサーキットでもあり、多少タイムが遅いマシンであっても、ドライバーにテクニックがあれば後ろから抜かせずに順位をキープすることのできるサーキットです。

KERS(運動エネルギー回収システム)DRS(可変リアウイング)によってオーバーテイクの増加した今年のF1は、このサーキットの姿も変え、今までではオーバーテイクが見られなかった区間でも激しいバトルが繰り広げられました。

詳細は以下から。
FORMULA 1 GRAND PRIX DE MONACO 2011 Provisional Results

モナコGP決勝を走行したのは、予選でクラッシュしたザウバーのペレスを除く23台。その先頭は今季6戦5勝と圧倒的な強さを見せているセバスチャン・ヴェッテル(レッドブル)。以下、バトン(マクラーレン)、ウェバー(レッドブル)、アロンソ(フェラーリ)、シューマッハ(メルセデス)、マッサ(フェラーリ)、ロズベルグ(メルセデス)と続き、ハミルトン(マクラーレン)は9番手、小林可夢偉(ザウバー)は12番手スタートとなりました。

コースは例年と変更ありませんが、タイヤ供給を担当しているピレリは今回のレースで初めてスーパーソフトタイヤを提供。ソフトタイヤよりもよりグリップ力が向上しタイムが伸びるものの、劣化速度も速く長い周回を走行するのは難しいタイヤで、その使いどころが勝負を分ける場面もありました。

ヴェッテルがスタートをうまく決めて順位を譲らなかった一方、ウェバーやシューマッハが順位を落とし、2周目時点で順位はヴェッテル、バトン、アロンソ、ウェバー、ロズベルグ、マッサ、マルドナード、ペトロフ、シューマッハ、ハミルトン。可夢偉は13番手を走行する展開。

モンテカルロ市街地コースは、お互いの速度が同等、あるいは多少の差程度では簡単には抜けないコースとして有名ですが、スーパーソフトタイヤのグリップが失われてきたタイミングを突かれた“皇帝”ミハエル・シューマッハが第1コーナー「サント・デヴォーテ」でハミルトンにオーバーテイクを許す場面も。通常、ここは簡単にオーバーテイクできるポイントではなく「抜けるモナコ」を感じさせる場面でした。

15周目、タバコ・コーナーでマッサとマルドナードがロズベルグをオーバーテイク。マッサはこのコーナー手前でロズベルグと接触してフロントウイングの翼端板を失っていましたが、果敢なドライビングを見せました。

17周目には先頭走行中のヴェッテルがピットイン。しかしここで若干のタイヤ交換ミスがあり、首位をアロンソに奪われることに。このあと、アロンソも1度目のピットインを迎え、順位はバトン、ヴェッテル、アロンソという並びに。

最初のリタイアはティモ・グロックで、33周目に車を止めました。この次の周回、マッサがトンネル内でクラッシュしてリタイア。セーフティーカーが入ることになります。この周回では、マッサはグランドホテルヘアピン(ロウズヘアピン)でハミルトンと接触をしていて2台が審議対象になっており、ハミルトンはドライブスルーペナルティを課されることに。また、シューマッハもマシントラブルでリタイアします。

セーフティーカーは39周目に抜けて再スタートが切られました。順位は大幅に入れ替わり、上位10台の顔ぶれはヴェッテル、バトン、アロンソ、スーティル、可夢偉、ウェバー、ハミルトン、マルドナード、ペトロフという内容に。

ハミルトンがペナルティ消化のためにピットを通過、さらにバトンがタイヤ交換義務のためにピットインしたことでこの上位10台の並びはヴェッテル、アロンソ、バトン、スーティル、可夢偉、ウェバー、マルドナード、ペトロフ、ハミルトン、ハイドフェルドという形に。

このあと、アロンソはどんどんとヴェッテルとの差を詰め、58〜59周目ぐらいからはトップ争いの接近戦を演じていきます。

可夢偉はしばらくスーティルの後ろに捕まっていましたが、65周目にオーバーテイクして4位に浮上。スーティルは後ろに何台か引き連れる形になり、69周目にコースアウトしたスーティルを避けようとしたペトロフとアルグエルスアリがクラッシュしてリタイアするというアクシデントも。ここで2度目のセーフティーカー導入となりました。

74周目にセーフティーカーが抜けて再々スタートするも、第1コーナーでハミルトンがマルドナードにかなりアグレッシブなアタックを仕掛け、マルドナードはクラッシュしてリタイア。ハミルトンはこの接触でも審議の対象となります。このあたりで順位はヴェッテル、アロンソ、バトン、可夢偉、ウェバー、ハミルトンに。

77周目、トンネル出口にあるヌーベルシケインでウェバーが可夢偉に並びかけ、可夢偉はシケインをショートカットしてしまい、ウェバーにオーバーテイクを許すことに。その後は順位の変動はなく、1位ヴェッテル、2位アロンソ、3位バトン、4位ウェバー、5位可夢偉、6位ハミルトンでチェッカーフラッグを受けました。

ヴェッテルは昨年は惜しくも2位(優勝はウェバー)でしたが、今年ようやくモナコ初勝利を飾りました。小林可夢偉の5位入賞は、中嶋一貴以来2度目の日本人ドライバーのモナコGP入賞で、歴代最高順位という快挙です。今回10ポイントを加算したことでドライバーズランキングでシューマッハを抜いて第10位にランクイン。次は2ポイント差でペトロフを追う形となっています。

次のレースは6月12日、サーキット・ジル・ヴィルヌーヴで行われるカナダグランプリです。

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