【タリバンによる連続テロ】暴力は暴力を生むだけなんです。

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 TBSがかなり力を入れて制作している日曜ドラマ「JIN--仁」が好評だ。江戸時代にタイムスリップしてしまった脳外科医・南方仁が、幕末の動乱を生きぬくという突拍子もないストーリーながら、これまでの放送分では平均視聴率が20%を超えている。

 5月22日の放送で、主人公の南方と坂本龍馬が口論になるシーンがあった。幕末の動乱を戦争(=暴力)でおさめようと試みる坂本の姿勢を、南方がこういって批判していたのが印象的であった。「暴力は暴力を生むだけなんです」。

 さて、ここ数日、タリバンによるテロが続いている。19日には、アフガニスタンで道路建設会社の野営地を武装グループが襲撃。警備員とテロリストの銃撃戦で従業員35人が死亡、20人が負傷した。翌20日、パキスタンでは、走っていたアメリカ領事館の車列付近で爆弾が爆発し、車に乗っていた10人が負傷し、通行人1人が死亡。

 21日、アフガニスタンの国軍病院で自爆テロとみられる爆発が発生。すくなくとも医大生ら6人が死亡、23人が負傷。そして、22日には、パキスタンで武装グループが海軍基地を襲撃。治安部隊の10人と武装グループ4人が死亡した。いずれのテロも、タリバンが犯行声明を出していることから、アメリカのウサマ・ビンラディン殺害に対する報復である可能性が高い。

 5月19日からのたった4日間で、これだけ多くのテロが発生し、多くの人が死傷しているという現実を、どう考えたらよいのだろうか。アメリカは、これまでビンラディン殺害の正当性を主張しつづけてきた。だが、その影響が以上のようなテロの連続となってあらわれている。まさに、「暴力は暴力を生むだけなんです」という状況である。

 そんな状況をよそに、7月にはアメリカ軍がアフガニスタンからの撤退を開始する。この撤退により、中央アジアの地政学的なバランスは大きく変化することが予想される。なによりも心配なのは、タリバンなど反米勢力の動きが活発になり、テロによる報復が増加することである。

 このように暴力が暴力を生み、報復が報復を生んでいる状況をリアルタイムで見聞きしている日本の私たちには、何ができるのだろう。おそらく、できることはすくない。とはいえ、そういう状況を心に刻むことにより、みずからが同じような状況になったときに、「暴力は暴力を生むだけなんです」という言葉を思い出すことくらいはできると信じたい。

(谷川 茂)


 

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