遺された銭湯の痕跡と活用される建物・銭湯遺跡

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前回も触れた銭湯の営みの跡、銭湯遺跡。銭湯遺跡はかつて銭湯が営まれていた痕跡、たとえば建物がそのまま残る場合もありますし、煙突だけ、あるいはタイル壁のみ、ペンキ絵の描かれた壁のみが残っていたりというような物件です。
他のジャンルでいいますと鉄道廃線跡のような感じかと思います。

銭湯はその生い立ち故に廃業→解体などもあっという間です。
近年では産業遺跡として色々な物件が保存されつつあるようですが、銭湯はどのような立派な建物でもほとんどは廃業後はすぐに解体→更地→マンションなどになってしまいます。
江戸東京博物館のたてもの園にある子宝湯は保存された稀なケースの銭湯ではないかと思います。

まずは1枚目の写真をご覧ください。
東京都荒川区、三ノ輪橋駅近くにある「高城湯」さん。
立派な伝統的東京銭湯の建物のお風呂屋さんです。
が、実は廃業されてしまっています。
扉の向こうには暖簾も掛かっているし、今にも営業を開始しそうな雰囲気なのですが、もう浴槽に湯が張られる事はありません。

この様に残っているとちょっと遺跡とは言い難い感じもします。
次の物件です。



愛知県名古屋市、旧東海道鳴海宿にある「上州 草津温泉」です。
どうです、だいぶ遺跡になってきたでしょ?
看板が右から書かれていて古さを感じさせます。
ここは創業が明治期、この建物は大正期に建てられたといいますが昭和50年代に廃業されてからずっと、この宿場町の一画に残されています。

次は東京の大泉学園に残っていた宝泉湯の跡。


手前にあった浴室などの風呂屋の施設は取り壊されてマンションになっていて、浴室奥壁から先の自宅スペースのみがそのまま活用されていたためにペンキ絵も残っていました(現在は無くなっています)。

次は愛知県犬山市の路地裏に残る銭湯の痕跡。

狭い路地裏を歩いていると駐車場の奥に忽然と現れます。
銭湯の浴室壁のタイル絵ですが、よくぞ残ってくれたという感じです。
どうでしょう〜なかなかよい物件でしょ?
ちょっと撮影したのが古いので写真がイマイチですが。
犬山にはこの物件のすぐ先にももう一軒の銭湯跡がありました。


銭湯は廃業した後、稀に他の施設として全て、時として一部が転用されて活用されているケースもあります。
たとえば渋谷区にあるトンカツまい泉のレストランも銭湯の建物を使用しています。

こちらはギャラリーとして利用されている東京台東区の「柏湯」跡。


その名も「SCAI THE BATH HOUSE」。
入口から2段の破風屋根に煙突も残されています。

次は横浜市南区の「芦名湯」跡。

横浜市の南区にある商店街の一画にエスニック料理店として残され活用されています。

銭湯は立派な建物でも文化財ではないので廃業すれば多くはすぐに取り壊して用地は駐車場やマンションに転用されてしまいます。
しかし上記のような物件が残っている事も稀にあったりします。
こんな物件を寄り道して探して見るのもみちくさとしての銭湯の面白がり方のひとつかもしれません。
ただし入れませんけどね。




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