列車の中で通話し続け16時間、迷惑顧みない女性を警察が強制下車措置。

写真拡大

日本でもしばしば問題となる、電車内での携帯電話使用(音声通話)を巡るトラブル。乗客同士が口論、もしくは暴力沙汰に発展するという穏やかではないニュースが報じられることも珍しくないが、先日米国でも、39歳の女性がこのトラブルにより、警察によって強制的に長距離列車から下ろされる一件が起きた。この女性、車内での大声の通話は16時間にも及び、注意されれば逆ギレ。その横暴な態度には、周囲の乗客から苦情が殺到していたという。

この一件が起きたのは、鉄道公社アムトラックのロサンゼルスとシアトルを結ぶ長距離列車内でのこと。女性は5月14日22時頃、カリフォルニア州オークランドの駅から乗車し、シアトル方面へ向かっていた。終点のシアトルに到着するのは翌15日の午後。そんなゆったりとした長距離移動を楽しんでいた乗客たちは、22時という時間的にも、すでにくつろいでいた人も少なくなかっただろう。しかし、車内を包んでいた平穏な空気は、女性の乗車と共に打ち破られてしまった。

周囲の乗客たちの証言によると、女性は乗車するや否やすぐに携帯電話を使い出し、そこから「ノンストップで話していた」(米放送局ABC系列KATUセイラムより)という(※アムトラックの車両には、座席にコンセントがついているものもあるため、16時間もの通話が可能だった模様)。しかも、彼女は「尋常ではない話し方」(米放送局CBS系列KOINより)と表現されるほどの口調で大声で話し、周囲の乗客たちをすぐに「イライラさせた」とも。

さすがに彼女に注意を試みた乗客もいたが、自分が周囲に与えている迷惑に全く気が付いていない女性は逆ギレ。注意した人に「攻撃的な言葉」を浴びせ、そのまま大声で携帯電話を使い続けたようだ。

それから夜も明けて朝になり、さらに昼になっても話し声は一向に途切れることがなく、車掌のもとには次々と彼女に関する苦情が寄せられた。そこで、車掌はやむなく警察へ通報。“無秩序な乗客”への対応を求めたという。

そして15日午後2時頃、列車はオレゴン州ポートランド付近の踏切に差し掛かったところで突然緊急停車。そこには列車の到着をパトカーが待ち受けていた。車内に乗り込んだ警官らは、この女性を治安紊乱行為の容疑で強制的に下車させると、列車は現場に20分停車した後、すぐ近くまで迫った終点のシアトルへと向かった。

結局、女性はその後駆けつけた家族に身柄を引き渡され自由の身となったが、米放送局ABC系列KATUの取材に応じた彼女は、「自分がなぜ列車から降ろされなければならなかったのか分からない」とコメント。周囲に迷惑をかけたとの認識はなく、釈然としていないようだ。