実名に抵抗あるのは、あなたが日本人だからだよ

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 デビッド・フィンチャー監督の映画『ソーシャルネットワーク』が公開されたこともあって、日本においてもFacebookが大きな盛り上がりを見せています。書店のPC書のコーナーに行ったりすると、Facebookの本が大量に平積みになっており、「これからはFacebookだろ!」という出版者たちの声が聞こえてくるようです。
 映画の成功にくわえ、Facebookには広告代理店・電通が提携しています。電通はFacebookからプレミア広告枠の独占販売権を獲得していますから、これからはFacebookだろ! は電通も同じです。
 つい先日、電通はグループ会社を通してFacebookとTwitterのスターターパックを企業向けに提供しはじめました。詳細な内容は下記リンクを参照してほしいのですが、驚いたのは費用の高さです。さすが電通、と思わずにはいられませんでした。FacebookにしてもTwitterにしても基本的にサービスはタダなわけで、そのタダのサービスでこんなに儲けるのか! まあ、広告代理店としては一般的、ひょっとしたら安い価格設定なのかもしれませんけど。

 ところで、Facebookは実名/顔出しが一般的とされてますよね。日本には「ネットは匿名」というコモンセンスがあるわけで、浸透は難しいのでは、という意見も多く見られるようです。「ネットで実名とかキ○ガイか!」とかいう書き込みも、どっかで見た気がします。
 でもね、「ネットで匿名」って、理由を詮索するとべつに大きな理由があったからじゃないらしいんです。すくなくとも、害があったから匿名になったんじゃなくて、害がある前から匿名が定着していた。
 これがアメリカになると、子どもが個人情報を実名で書いて事件が起きたりして、ネットで実名は怖いぞーというのが流布したにもかかわらず、ブログ著者は基本的に実名で記事を発表し、そこが改まることはなかったそうです。
 これは掲示板にもいえて、アメリカのコンピュータおたくのための掲示板スラッシュドット(slashdot)では、匿名で発言するために「Anonymous Coward(匿名の臆病者)」という蔑称を甘んじて受けなければならないとか。このあたりも、匿名の書き込みを「名無しさん」というやさしい名前で呼んであげている日本とは大きなちがいです。
 日本における匿名は、どうも「文化のちがい」というあたりに理由を求めるほかないのでは、といわれています。

 日本では実名に抵抗があるから……じゃないと思いますけど、Facebookのユーザ増加率は今月、10%からすこし下がったそうです。まあ、いまだ続伸中ですし、これから増えることには変わりないと思いますが。現在、ユーザ数は約312万人。ミクシィはユーザ数2000万人以上といいますから、まだ大きな差があるとはいえそうです。

 一説によれば、Facebookはミクシィを買うんじゃないか、ともいわれています。Facebookなら買うのは簡単でしょうし、ひょっとしたら水面下で交渉がはじまっているかもしれませんね。
 あ、それともうひとつ。2ちゃんねるはアメリカに輸出されて、その名も4chanというサービスになってるんですよ。匿名文化は輸出されたんです。しかも、ページを見ればわかるけど、輸出はどうやら日本のアニメやマンガとセットでおこなわれたようです!

(歌田明弘さんが2006年に書かれたブログ記事、「日本のネットはなぜかくも匿名志向が強いのか」を参考にしました。http://blog.a-utada.com/chikyu/2006/06/post_b840.html)

■ 参考サイト

電通とFacebookが業務提携 広告主向けにマーケティング活用支援
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1102/28/news059.html

電通グループ2社がソーシャルメディアのスターターパックを提供
http://www.advertimes.com/20110510/article14196/

日本のFacebookユーザー数、推定311万人で微減〜セレージャテクノロジーまとめ
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20110517_446194.html

4chan
www.4chan.org/

(草野真一)