八百長メールの発覚から3ヵ月半。大相撲が信頼回復を期して入場無料の技量審査場所という形で再スタートを切った。

 存在はささやかれていたものの相撲協会は一貫して否定してきた八百長。それがメールという決定的証拠で明らかになり、大相撲の信頼は地に落ちた。関与したということで幕内・十両合わせて17人もの関取が引退。3月場所に続いて2場所連続で中止するわけにもいかず、さりとて“みそぎ”が済んだわけでもなく、とても入場料を取ってお見せできるものではない。そこで無料の技量審査場所の開催となったわけだが、それなりに注目度は高いようだ。

 NHKの中継がないため、インターネットで配信される大相撲の動画に多くの人がアクセスしているという。ライブ中継が見られる相撲協会のホームページは1日で延べ7万件前後、投稿動画配信サイト・ニコニコ動画の大相撲動画も10万を超える人が見ているそうだ。八百長という大問題の後、どのような相撲を取っているのか、興味をそそられる人は多いのである。

 筆者は4日目(5月11日)に、早朝から配布する当日券を手に入れて観戦した。

 注目の相撲内容だが、問題発覚の直後ではあるし、十両以上の力士とその付け人は場内に携帯電話を持ち込めない、支度部屋の入口に監察委員と役員の親方二人が見張りとして立つといった厳しいチェック体制も敷いた。それに以前から星勘定の必要がない場所の前半は八百長が少ないといわれていたから、すべての取組がガチンコ、真剣勝負だったはずだ。

 それとあくまで印象ではあるが、以前との相撲とは微妙な違いもあった。劣勢の力士が簡単には諦めなくなったと感じたのだ。力士にとって怖いのはケガ。以前は御身大切で、勝ち目がないと判断した時点で自ら受け身をとるように転がったり、土俵を割っていたのが、勝負がつくまで粘るように見えたのだ。

 見た目の印象であって本当のところは解らないが、真剣度、全力度が増したことは確かである。

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