すべての原発は地震で壊れる!

写真拡大

 5月9日、菅直人首相の要請により、中部電力管轄下の浜岡原発4号機、5号機を停止させることが決まり、14日に全面停止した。安全対策が十分になされていない、というのがその理由だが、安全対策という観点でいえば、浜岡原発を止めるだけでは不十分である。
 『原発大崩壊! 第2のフクシマは日本中にある』(ベスト新書)の著者、武田邦彦氏は本書の中で、日本の原発設計における安全性に疑問を呈しており、日本のすべての原発に共通するといってもいい欠点が明らかにされている。

■原子炉は守られた、しかし電源装置は…
 武田氏は本書で“原子炉は地震で壊れないかもしれない。しかし、すべての原発の電源は震度5程度の地震で止まってしまう可能性がある”と述べている
 つまり、日本の原発の原子炉は震度6〜7の揺れにも耐えられるよう、強固に設計されているが、電源等周辺施設の耐震強度はあまりにも低いのである。
 事実、4月7日23時32分に起こった余震で、震度4の「東通」、震度5の「女川」という2つの原発が「電源喪失」する事態となった。

 いくら原子炉が頑丈でも、電源が失われれば、原子炉の冷却装置が作動しなくなり、炉内は高温になる。そして水と高温になった燃料棒が反応して燃料棒が酸化、やがては大量の水素が発生し、結果として水素爆発が起こる可能性がある。「東通」「女川」ともに大事には至らなかったが、もし通常電源喪失時に予備電源や非常用電源に何らかのトラブルが生じていたら、福島第一原発と同じような事故が起きたであろうことは十分に考えられるのである。原子炉の強度のみを優先させた結果、電源をはじめとする周辺施設の耐震設計がお留守になっていたというのでは、今回の事故が人災だといわれても仕方がないだろう。

 『原発大崩壊! 第2のフクシマは日本中にある』には、日本の原子力発電所、ひいては原子力行政そのものの問題点や、大気中や海中に漏れ出ている放射性物質汚染、エネルギー政策の今後など、原発をとりまくさまざまなトピックを解説している。素人には理解しにくい原子力発電の仕組みについての説明もわかりやすい。

 原発の“安全神話”は崩れたが、その神話がいかに脆く、ずさんなものの上に成り立っていたかが、本書を読むとよくわかる。
(新刊JP編集部/山田洋介)


【関連記事】 元記事はこちら
パチンコ業界の光と闇
ヨウ素添加を義務付けている国
義えん金詐欺の撃退ポイント
日米安保は一方的に破棄できる