血液型の性格診断、本当に正しい?

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 日常生活を送っているとだんだん凝り固まってしまう頭。実は私たちは先入観やイメージに惑わされてしまっていて、本当のことが見えていないことがあります。

 そうした先入観から頭を解き放ってくれるのが「統計」です。「統計」によって明らかになる事実は、先入観とはおおよそ違った顔を見せてくれることがあります。ここでは『ウソを見破る統計学』(神永正博・著、講談社・刊)から、「統計」を使って明らかになる様々な事実をご紹介します。

1、運動の世界記録、その限界値は統計で予測されている。本当?嘘?
→正解:本当

 現在の男子100メートル走世界記録はウサイン・ボルト選手が保持する9秒58ですが、統計の「極値統計」の理論でベスト記録の分布を計算すると、9秒29が限界とされています。
 この「極値統計」は対象の最大値や最小値を理論的に計算し、限界を予測するもので、最長の寿命や最大降水量の予測などにも、この極値分布が使われます。これらの推定方法はとても複雑なものですが『ウソを見破る統計学』の中で、図表などを使いながらエッセンスが説明されているので、参考にしてみてください。

2、数学ができればプログラミングもできる。本当?嘘?
→正解:神永さんのデータによれば相関は見つからなかった。

 コンピューターを扱う職業、特にソフトウェアを開発するプログラマーは理系が多いと思われがちですが、実は数学が得意な人間がプログラマーに向いているかというとそうではないという結果が出たそうです。
 本書では東北学院大学教授である神永さんの体験をベースに、学生の数学の授業の点数とプログラミングの授業の点数の相関係数が調べられていますが、相関は弱いという結果が出ています。もちろん、モノによっては数学が必要かも知れないので、一概に「関係ない」とは言えるものではありませんが、統計によってはじき出されたデータはイメージとは全く異なるものです。

3、血液型による性格診断は信頼できるものだ。本当?嘘?
→正解:因果関係は確認されていない

 A型は几帳面で、B型はマイペース…といった具合に、もはや定説となりつつある血液型性格診断。しかし、専門家の研究や論文を調べてみると、相関について否定的な結果が多いそうです。
 例えば調査方法は「物事にこだわらない」といった項目をセルフチェックさせるもので、これだけ血液型性格診断が普及している状況では、それに合わせて自己イメージを持ってしまっている可能性もあります。こうしたバイアスをクリアにするためには、血液型性格診断をまったく知らない人たち、例えば日本人以外の人たちも含めて調査する必要があると神永さんは指摘しています。

 著者の神永さんは『不透明な時代を見抜く「統計思考力」』(ディスカヴァー・トゥエンティワン/刊)などの著作で知られており、本書『ウソを見破る統計学』では、難しい数式を一切使わず、様々な事例を通して統計のイロハを教えてくれます。

 統計を使えるようになるということは、今ある様々な情報が正しいかそうでないのかを見極められるようになるということです。それは決して難しいことではありません。文系の人でもその基礎がスイスイ頭に入ってくるはずです。
(新刊JP編集部/金井元貴)



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