企業が成長するためには、作業の高度化や効率化を進めることは当然のことです。しかし、「より多く、もっと成長し、さらに迅速に」を従業員に求める職場は、時として“仕事に従事する力や創造力、思慮深さに欠けている”と社員に感じさせてしまう恐れがあります。
 人材は使い捨てではありませんし、それぞれに感情があります。気が重くなるような雰囲気や仕事量ではベストなパフォーマンスをコンスタントに発揮することは難しいのではないでしょうか。

 トニー・シュウォーツ氏、ジーン・ゴメス氏、キャサリン・マッカ−シー氏という米国の経営者、編集者たちによって執筆された“The way we’re working isn’t working : The Four Forgotten Needs That Energize Great Performance(邦題『機能しない働き方〜 最高のパフォーマンスにエネルギーを与える忘れられがちな4つのニーズ〜』)”有料Podcast番組「エグゼクティブ・ブックサマリー」にて邦訳要約版を配信中)は、企業が気づいていないと思われる悪癖について鋭く追及し、それを改善するノウハウをつづっています。

 雇用主が軽視しがちなのが、会社の従業員たちが持っているペースです。彼らはある期間、熱心に働き、そして休憩し、さらに働き、再び休憩するという、自分の働き方のペースを確立しながら、ベストの状態で仕事ができるようにしていきます。
 では、従業員たちの素晴らしい能力を引き出すためにはどの点に注意すべきなのでしょうか。中核となる4つのニーズについてご紹介します。

1、持続性: 身体
 健康で、快活である状態を維持するためにエネルギーを補充すること。例えば十分な睡眠や仕事の合間の休憩、エアロビクスや筋力トレーニング等の運動療法、食事に気をつけるなどがあげられます。

2、安全性:感情
 大切にされ、尊重され、愛されていると感じること。雇用主が具体的な目的を達成することのできるような力添えをしたり、恐怖心を持たせないようにする(怒りや恐れは、逆効果の管理ツール)などがあげられます。

3、自己表現:心
 包み隠さずコミュニケーションを取る自由があり、従業員が、自分の「素晴らしいスキルと才能」を使える環境が必要です。多くの仕事を同時進行で行う「マルチタスキング」で、持っている仕事を全て上手にこなせる人は無に等しく、メンタル的な幸福感を感じることができなくなってしまうといいます。

4、重要性:精神
 職場で、真の「価値」を見つけ出すこと。従業員は満足感を得るために、自分の好まない仕事に毎日を費やすよりもむしろ、自分の大好きなことをする機会を捜し求めるべきであり、一方でマネージャーは、人々が仕事の中で価値を見出すよう力添えしなければいけません。

 こうした4つのニーズに気を配っている会社は、そうしていない会社よりもはるかに成功していると著者たちは述べています。

 従業員たちのよりよいパフォーマンスを引き出すためには、自らの仕事に誇りを持ち、さらに会社から認められているという意識を持たせることが大切です。だらだらと長い時間の仕事を強いるのではなく、ニーズに気を配り、彼らが働きやすい環境を作っていくことが大切なのです。
(新刊JP編集部/金井元貴)



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