「過敏性腸症候群」(以下、IBS)という病名を耳にしたことがあるだろうか。ストレスにより、下痢(または便秘、混合型)をともなった腹部の痛みや不快感などを起こすというもので、日本国内で1200万人、成人人口(20〜80代)の12.5%が罹患していると推定されている。「国民病」ともいわれる糖尿病が予備軍も含めて国内に1800万人ほどいるが、それを考えても「1200万人」は多い。しかも、その頻度が高まっていて、昨今、特に20〜40代の働き盛りの男女に好発傾向(IBS患者全体の約半数)があるから深刻だ。

   IBSに罹患すると日常生活のさまざまな場面で支障をきたす。鳥居内科クリニック院長 鳥居明氏が実施したインターネット調査によると、下痢症状発現時には、1日平均5.1回も便意をもよおしており、そのため、「学校や行事に行けないことがある」(93%)、「電車やバスに乗れない、途中で下車してしまう」(91%)、「約束に遅れたり、約束を断ることがある」(88%)など、かなり辛い思いをしているようだ。症状がひどくなると、仕事を続けることができず、失職する人もいるという。海外におけるIBS患者のQOL(人生・生活の質=充実感や満足感をもって日常生活を送ること)は、末期の腎臓病患者や糖尿病患者よりも低いという報告があり、アメリカの調査では、IBS患者は、IBSに罹患していない人に比べ、年間約55日間も休職または失職を余儀なくされているとのデータも出ている。

   それなのに、「下痢」=「ストレスや疲れ、胃腸が悪いから」と思い込んでしまうことがほとんどで、自らがIBSであると気がつかない人も多い。

   IBSは心のケアも必要なため、内科や大腸専門科だけでなく、心療内科の領域の疾患ともいわれている。ただの下痢だと思って医者にかからないでいると、大腸がんその他の重篤(じゅうとく)な疾患が隠れている可能性もあるため、早く下痢症状を断ち切るためにも病院に行って診断を受けることが大切だ。<モノウォッチ>

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