浜岡原発停止:やっと事態のドライブに動く首相

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今回は団藤保晴さんのブログ『Blog vs. Media 時評』からご寄稿いただきました。

浜岡原発停止:やっと事態のドライブに動く首相
福島第一原発事故発生から間もなく2か月、菅首相が初めて自分の側から動きました。6日夜に「首相、浜岡原発の全原子炉停止を要請 防波壁完成まで」*1 となったのですが、伝えるマスメディア側が「浜岡原発、全基停止すると夏場の供給力に不安も」*2 など疑問符を付ける雰囲気なのは解せないところです。隣には関西電力、さらに余裕がある西日本の電力各社が同じ周波数60ヘルツで並んでいます。

*1:「浜岡原発の全原子炉停止へ 首相の要請受け入れ」2011年05月07日『asahi.com(朝日新聞社)』
http://www.asahi.com/politics/update/0506/TKY201105060230.html
*2:「浜岡原発、全基停止すると夏場の供給力に不安も」2011年05月06日『YOMIURI ONLINE(読売新聞)』
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20110506-OYT1T00811.htm?from=main3

首相は同日夜、首相官邸で記者会見して明らかにし、「浜岡原発で重大な事故が発生した場合、日本社会全体におよぶ甚大な影響を併せて考慮した結果だ」と強調。停止要請を出した理由について、浜岡原発が東海地震の想定震源域上にあるとして「30年以内にマグニチュード(M)8程度の地震が発生する可能性が87%という数字も示されている」と説明。特有の事情があるとの認識を示し、浜岡以外の原発への対応については言及しなかった。
防波壁の設置など中長期の対策が完成するまでの間、すべての原子炉を停止すべきだと判断した。

次々に起きる事態に振り回されるだけだった首相にして、この際は英断と申し上げてよいのではないでしょうか。

例えば2006年の「原発震災の可能性を裁判所が認めた[ブログ時評52]」*3 のように、原発震災の危険性は認められ始めていたのです。木で鼻をくくる対応だったのは殿様企業、東電ならばこそでした。浜岡にまで及ぶ今回の津波問題は「福島、女川など3原発、津波高さと対策が判明」*4 で紹介済みです。

*3:「原発震災の可能性を裁判所が認めた[ブログ時評52]」2006年03月26日『インターネットで読み解く!』
http://dandoweb.com/backno/20060326.htm
*4:「福島、女川など3原発、津波高さと対策が判明」2011年03月22日『Blog vs. Media 時評』
http://blog.dandoweb.com/?eid=119629

しかし、同じ6日に47newsは「経産省、原発重視の方針堅持へ 安全宣言で電力確保目指す」*5 と報じています。「原発の緊急安全対策を進めて“安全宣言”を早期に行うことで既設の原発からの電力供給を確保し、2030〜50年には“世界最高レベルの安全性に支えられた原子力”を3本柱の一つとするとした、経済産業省の今後のエネルギー政策に関する内部文書が6日、明らかになった」とは、福島の事態収拾が到底見えない折にあきれます。

*5:「経産省、原発重視の方針堅持へ 安全宣言で電力確保目指す」2011年05月06日『47NEWS(よんななニュース)』
http://www.47news.jp/CN/201105/CN2011050601000827.html

既成マスメディアに、この期に及んでも原発とエネルギーの問題をゼロベースで考え直す動きが乏しいのが気になっていました。いま自前で議論の土俵を構築しないで何時やるのですか。新聞各社とも専門家ぶった論説委員を何十人も抱えているのに……。

執筆: この記事は団藤保晴さんのブログ『Blog vs. Media 時評』からご寄稿いただきました。

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