東電を叩けば現場の作業員が苦しむという構図

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今回はhamachanさんのブログ『hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)』からご寄稿いただきました。

東電を叩けば現場の作業員が苦しむという構図
五十嵐泰正さんと川村遼平さんのツイートから遡って、


これまでに20人以上倒れたという噂。「最大250ミリシーベルト以上浴びても働く」という誓約書を書かされ、防護服での汗だく9時間作業の末に言われた「給料カットを覚悟してくれ」の一言。最前線はさらに悪化していた!
(中略)
これほどの過酷な現場である。給料で補償してもらわなくては困ると、山田氏は休日を利用して親会社の所長に「作業の手当はいくらなのか」と尋ねた。

「所長の答えを聞いて愕然としました。
『東電は1Fの周囲で避難指示が出ている住民や、被害を受けた農漁業者への補償で莫大なカネがいる。今までのような報酬をもらえないかもしれないので、給料のカットを覚悟してくれないか』
大量の放射線が降り注ぐ劣悪な労働環境で働かされた上、給料を減らされたのではやっていられません。今は本気で、作業員を辞めることを考えています」
(中略)
「冗談じゃありません。高濃度の放射線を浴びながら、工程通り短期間でスムーズに作業が進むとは到底思えない。ただでさえ1Fでは毎日のように多くのトラブルが発生し、作業員は場当たり的な対処作業で疲弊しているのが現実です。東電の幹部たちには『がんばれ』と我々の尻を叩くだけでなく、よく現場の状況を理解し、より現実的な対策を立ててほしい」

福島第一原発の事故収束は、作業員たちの働きにかかっている。だが彼らの怒りと疲弊は、ピークに達しているのだ。

「福島第一原発作業員が激白!“恐怖と疲弊、過酷な場当たり労働”」2011年05月03日『現代ビジネス』
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/2771


これに対する五十嵐さんのツイート:

どうにかして下請けの給与として寄付できないものか。現在の東電にはビタ一文金やるな論だけでは、確実にこの人達に報えなくなる

http://twitter.com/#!/yas_igarashi/status/65233750396637184

川村さんの意見:

作業員の頑張りが役員を擁護し、役員への指弾が作業員に降りかかる。作業員と経営陣を一体視してしまう混乱は、企業主義的意識の所産なのでしょうか。

http://twitter.com/#!/kwmr_posse/status/65280786538037248

五十嵐さんのリプライ:

それどころかこんなですよhttp://bit.ly/kGU0Ox 確かに企業主義意識の負の側面が一気に晒されているのでしょう。お金で何とかできる問題ではありませんが、せめて作業員に金銭的に報いる支援を市民ができないものでしょうか。

http://twitter.com/#!/yas_igarashi/status/65313529347059712

このリンク先は、朝日新聞のこの記事。

「東電、協力企業へ代金支払い保留を通知 契約解除も」2011年04月30日『asahi.com(朝日新聞社)』
http://www.asahi.com/national/update/0430/TKY201104290587.html

福島第一原子力発電所の事故に絡み、東京電力が3月末、第一原発などの納入業者や工事の委託業者に対し、契約解除や支払いの保留を通知していたことが分かった。業者らは「協力企業の連鎖倒産が起きかねない」と反発している。
(中略)
一方、福島第一の復旧作業に社員らを派遣している福島県内の建設業者は地震の後、復旧作業について、あらためて東電側と契約した。この業者側の関係者は「契約書は交わしたが、きちんと支払われるのか心配だ。入金がないと従業員の給料も払えず、危険な作業も続けられない」と話す。

原発事故に対する“正義感”に充ち満ちた“怒り”が振り下ろされる相手は、東京電力の経営者に対するつもりが、気がつくと、ほかに働き口もなく地元で採用され原発の請負会社で働く現場作業員に対して振り下ろされていたという皮肉な構図。

執筆: この記事はhamachanさんのブログ『hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)』からご寄稿いただきました。

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