「放射能の検査はしたのか?」「もう30年は帰れないんじゃない?」避難先の幼稚園で園長先生にかけられた言葉

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※本稿は匿名でご寄稿いただいたものです。

お話したいことがあり、メールさせて頂きます。

私は福島市在住の者です。家族は妻と3歳の長女と次女です。

今回の震災で断水が続いた期間はおむつが取れていない次女の入浴の問題や水の安全性の問題、更には原発の問題もあり、妻と娘たちは私の実家がある北海道へ3月18日に避難させました。私は仕事があるため、福島市に戻っており事実上の二重生活が始まり一か月以上が経過しました。

長女はこの4月から福島市内の幼稚園に入園予定で手続きも完了しておりましたが自宅近くの幼稚園も文科省・県発表の屋外活動制限の13校・園に含まれており、妻と話し合った結果、入園予定であった幼稚園への入園は困難と判断し、避難先である北海道の幼稚園への入園を検討することに致しました。

候補となる何箇所かの園に事情を説明し、体験入園をさせて頂くことになりました。その中のある幼稚園に4月21日に妻と長女がお邪魔させて頂き、園長先生とお話させて頂いた際の内容がとても悲しく、信じ難い内容だったのです。

その園長先生は
「放射能の検査はしたのか?」
妻がしていないことを伝えると
「爆発した直後が一番漏れたはずだから検査してないなら北海道でするべきだ」
更に
「母乳からもセシウムが検出されたことだし、もう30年は帰れないんじゃない?」
「北海道と沖縄は本州と陸続きじゃなくてよかったわ」
と……。

北海道も被災地のはずです。津波による犠牲者もいたはずです。妻は放心状態のまま、予定していた別の園に行きました。そこでは「自治体からの要請と園の理事長からの指示で被災者は無条件で受け入れるように言われておりますので、安心して来て下さい」と。

さらには「制服も貸しますからね」「費用面も相談に応じますよ」とも言ってもらえました。妻は先ほどの園の園長先生の発言とのギャップに唖然としてしまい、と同時にその温かい対応に号泣してしまったそうです。

最近の報道で茨城県つくば市の転入届に放射能検査の証明書の添付を求めた問題や県外の学校へ転入した小学生が「放射能が移るから近寄るな」といじめに遭っている問題、さらには福島ナンバーの車がガソリンの給油を断れるなど数々の風評被害の事実が報道されている中、この園長先生の発言は私には信じられません。この発言の内容は本当は私たち自身が一番心配しているのです。もうひとつ付け加えたいのはこの園長先生は“教育者”のはずです。被災者に対する配慮のかけらもない発言であり、本当に悲しいです。

北海道は私のふるさとです。自治体は市営住宅の提供など、被災者への支援を強化して頂いています。他の幼稚園は心ある対応をして頂いており、この園長先生のような一部の方のせいで地域の幼稚園全体がそのように思われるのは私の本意ではありません。私や妻の感じ方が過剰なのかもしれませんが、この気持ちをどなたかに聞いて頂きたくメールさせて頂きました。長々と失礼致しました。

※編集部で幼稚園に取材したところ「そのようなことは言っていない」とのコメントでした。

※本稿は匿名でご寄稿いただいたものです。

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