「MARVEL VS. CAPCOM 3 Fate of Two Worlds」が今年2月の発売からすでに全世界で200万本を売り上げ、いまだに衰えることを知らないカプコンの格闘ゲームですが、現在の格闘ゲームの隆盛を築いた大本の作品とも言える「ストリートファイター」シリーズについて、実はあまり知られていない事実が多くあるようです。

「コンボ」という概念がバグから発生したという歴史や、ディージェイのモデルが実はビリー隊長だったことなど、ファンでも実は知らない20の秘密は以下から。20 Things You Didn't Know About Street Fighter II from 1UP.com

1.「コンボ」の起源
ここで言う「コンボ」とは、いわゆる「波動拳」や「昇龍拳」などの必殺技とは異なり、ある特定の技を連続して使用することで、技と技の間でまったくスキが発生せず、連続して相手にヒットさせることができる現象のことを指します。現在の格闘ゲームでは、どのタイトルにおいてもこの「コンボ」が非常に重要な役割を果たしており、欠くことのできない要素となっていますが、このコンボの起源も実は「ストリートファイターII」にあります。

しかし面白いことに、「ストリートファイターII」においてコンボは狙って実装された機能ではなく、いわゆるバグの一種だったそうです。開発者たちは当初、ある特定の技の後に別の特定の技を、ごく限定されたタイミングで出した場合に、技と技がつながってしまうことに気づいていたものの、大半のプレイヤーはこの技術を扱うことができないだろうと考えていたそうです。

開発者の思惑に反して、ストリートファイターIIのリリースから間もなく、全国のゲームセンターではコンボを使った戦いが繰り広げられ、コンボはストリートファイターIIの機能として扱われるようになりました。実際にこの現象がゲーム内で公式に「コンボ」と呼ばれるようになったのは、1993年発売の「スーパーストリートファイターII」以降のことだそうです。

※元の記事ではキャンセルとコンボがいずれも「combo」と表現されていますが、厳密にはバグと考えられるのは通常技のモーションを途中で停止して必殺技を出す「キャンセル技」のようです。

YouTube - スーパーストリートファイターIIのコンボ?動画


2.転んでもただでは起きない
「ストリートファイターII」が全世界で圧倒的なヒットを記録したのち、各地でさまざまな海賊版が横行します。特に有名なのは「Street Fighter II Rainbow Set」と呼ばれるバージョンで、空中で必殺技を出したり、波動拳などの飛び道具の軌道を操作できたり、さまざまな機能が追加されていました。

こうした海賊版との戦いを余儀なくされたストリートファイターシリーズですが、必殺技を追加したり、キャラクター間のバランスを調整し、ゲームスピードを上昇させるなどの改良措置を加えた「ストリートファイターII' TURBO(ダッシュターボ) -HYPER FIGHTING-」を1992年末に発売して、海賊版を抑制。「スーパーストリートファイターII -The New Challengers-」では、新キャラのサンダー・ホークに空中専用の必殺技「コンドルダイブ」が実装されるなど、海賊版からアイデアを借用したとも取れる動きで、転んでもただでは起きない姿勢を示しました。

YouTube - Street Fighter 2 RAINBOW SET 1 (cristfc playing)-PART 1 of 2


3.リュウとケンの師匠は「神龍」?


「ストリートファイターIV」では、リュウとケンの師匠である「剛拳」が初めてゲーム中に登場することとなりましたが、海外では長くリュウとケンの師匠は「神龍」という名前だという誤解が広まっていたそうです。

この誤解の発端は、一度も昇龍拳を出していないのに言われることで有名なリュウの勝利後のコメント「昇龍拳を破らぬ限りお前に勝ち目はない!」の誤訳によるもので、海外版ではこれが「You must defeat Sheng Long to stand a chance.(神龍を破らなければチャンスは無い)」となっていたそうです。海外版でも必殺技である「昇龍拳」は「Shoryuken」と発音されるため、海外ファンは「Sheng Long」がなんのことか分からず、「リュウとケンの師匠に違いない」と考えられていたようです。

4.「スーパーストリートファイターIIX」で旧バージョンキャラを使う方法
「スーパーストリートファイターIIX」では、ゲージ満タン時のみ使用できる「スーパーコンボ」の要素が追加されるなど、前作にシステム上も大きな変更が加えられましたが、ゲーム中で旧バージョンのキャラを使う裏技が存在したそうです。

キャラクター選択画面で弱パンチボタンでキャラを選択後、対戦相手のステージまで飛行機が飛んでいる間に特定のコマンドを入力すると、「スーパーストリートファイターII」仕様のキャラクターを使うことができるとのこと。一部のキャラを除いて、旧バージョンのキャラは動きも限定されるため弱いようですが、ちょっと面白い裏技です。

5.豪鬼の名前が海外では「アクマ」に


海外版でバイソンバルログベガの名前が入れ替わっていることについて、海外ファンの間では良く知られているそうですが、豪鬼について名前の変更があったことは実はあまり知られていないそうです。

豪鬼はベガと並んでシリーズを代表するボスキャラクターですが、初登場時から海外版では名前が「Akuma」となっており、海外ではこの名前で定着しているようです。なぜ海外版で名前が変えられたのかは分かりませんが、英語圏の人にとって「Gouki」という名前は発音しづらいため、近い意味で日本的な名前として「Akuma(悪魔)」となったのではないかと言われています。

6.海外でも実はアニメになっていた


ストリートファイターファンにとって映画版「ストリートファイター」はいろいろな意味で思い出深い作品となっているようですが、海外のファンの間でも、実はアメリカ版のアニメが放送されていたというのはあまり知られていないようです。中途半端にアメコミ風の絵柄が何とも言えない雰囲気を出しています。なお、日本では「スーパーストリートファイターII V」として1995年にアニメが放映されています。

7.カプコンは当初「モータルコンバット」に脅威を感じていた
現在でこそ色モノとして扱われがちな「モータルコンバット」ですが、真偽は定かではないものの、発売当初はストリートファイターを駆逐するのではないかと他ならぬカプコンが脅威を感じていたそうです。

特に、モータルコンバットで採用された、実写の俳優が画面上でキャラクターとして動くシステムは当時最先端のもので、カプコンは同じものを作ろうとしても作れず、これにキャッチアップするためにカプコンはアメリカの「インクレディブルテクノロジーズ社」と提携し、「ストリートファイター ザ・ムービー」を制作したとも言われています。映画「ストリートファイター」の実写映像を用いた意欲的なゲームでしたが、同時期に稼働を開始した「ストリートファイターZERO」とは対照的に、早々とゲームセンターからその姿を消していくこととなりました。

下は初代モータルコンバットのプレイムービー。

YouTube - モータルコンバット1 1992 Midway Y Unit hardware by エド


8.「ストリートファイター ザ・ムービー」は「ストリートファイターIII」となるはずだった?
悲惨な結末を迎えた「ストリートファイター ザ・ムービー」でしたが、当初はシリーズのナンバリング「III」を冠するゲームとなる予定だったとも言われています。

当時開発を担当したインクレディブルテクノロジーズ社の社員だったAlan Noon氏は「開発には多くの混乱があった。日本のカプコン社員からカプコンUSAの社員、そしてインクレディブルテクノロジーズ社へ、というコミュニケーションの連携にも問題があった。当初、このゲームは『ストリートファイターIII』として開発されていたことをはっきりと覚えている。私たちは史上最高のストリートファイターを作った。より多くのキャラクターたち! 実写をデジタル化した映像! 新しいコンボシステム! その中のひとつが『神龍』です……」と語っていますが、残念ながら現在このゲームがプレイできる環境がどこにあるのか不明です。

9.「神龍」が実はゲームにも登場する予定だった


「ストリートファイター ザ・ムービー」の開発者Alan Noon氏によれば、誤訳によって生まれたキャラクター「神龍」が実はゲーム中に登場する予定があったそうです。アメリカ軍人風の格好で、中国拳法を使い、目隠しをして闘うキャラクターとして企画されたものの、時間的な制約によりお蔵入りとなったとのこと。もしこのキャラが実装されていたら、現在の「剛拳」は存在しなかったかも知れません。

10.バルログは当初騎士として描かれるはずだった


キャラクターが原案からゲームの中で動くようになるまで、さまざまな紆余曲折を経てまったく違う姿になってしまうというのは珍しいことではありませんが、バルログは当初、仮面をつけている以外に現在の面影がまったく無いものだったそうです。その後、十字軍をイメージしたキャラクターが描かれましたが、海外での販売を考慮して現在の形に至っています。

11.ダルシムは6つの腕を持つはずだった


さらに激しい変更が行われたキャラとして、ダルシムは当初腕が6本あり、象の頭を持つという、現在の形よりさらに人間離れしたキャラクターだったそうです。設定画の段階ではヒンドゥーの神であるガネーシャをイメージさせるものとなっており、もしこの状態で発売されていたら、ダルシムは世界展開の中でいなくなってしまっていたかも知れません。

12.春麗は唯一原案からほとんど変更が無かったキャラ


バルログ、ダルシムの他にも、リュウやガイルも大きく手を加えられ、ほとんどのキャラクターが原案からかなりの変更を伴ったストリートファイターIIでしたが、春麗だけは唯一原案からほぼそのままキャラクター化されたそうです。

13.映画のブランカはブランカではなくナッシュ?


映画版に登場するブランカは、ガイル大佐の親友「カルロス・ブランカ」で、チャーリーという愛称で呼ばれています。悪の組織シャドルーの人体実験により緑色の肌に変えられてしまったという設定で、ゲームにおけるブランカをイメージしていることが分かりますが、ブランカにはこのような設定は無く、緑色の肌はジャングルで保護色となるように身につけた能力で、身体から発する電撃は電気ウナギとの格闘で身につけたとされています。

また、チャーリーという愛称は「ストリートファイターZERO」から登場するナッシュの海外でのキャラクター名でもあり、ガイルの親友である点も一致していますが、この関連性について、公式には明らかにされていません。

14.ケンのテーマ曲は「チープ・トリック」の曲をベースにしている
チープ・トリックと言えば、日本武道館でのライブから本国アメリカに逆輸入的なヒットをもたらした特異なバンドですが、日本出身でアメリカに武者修行に渡ったケンのテーマは、このバンドの名曲「Mighty Wings」がベースとなっているとのこと。

15.ディージェイのモデルはビリー・ブランクス


北米での圧倒的な人気を誇るストリートファイターシリーズに、アメリカ人がデザインしたキャラがほとんどいないというのは意外かも知れません。その中で唯一アメリカ人James Goddard氏によってデザインされたのが、キックボクサーでミュージシャンという設定のディージェイ。なんとこのディージェイは、「ビリーズブートキャンプ」で知られるビリー・ブランクスがモデルとなっているそうです。「キングオブキックボクサー」という映画に出演し、華麗な飛び蹴りを放つビリーの姿から、ディージェイがデザインされたとのこと。

16.家庭用が3DOでしか遊べなかった時期


「スーパーストリートファイターIIX」がアーケードで稼働を開始したのは1994年の4月ですが、その後セガサターンとプレイステーションで「ストリートファイターコレクション」が登場する1997年9月まで、「スーパーストリートファイターIIX」が遊べる家庭用ゲーム機は、パナソニックの「3DO REAL」など、3DO規格対応機器のみという極めて特殊な時期が存在しました。

スプライトや動画再生能力を持つ32ビットゲーム機の先駆けとして注目された「3DO REAL」でしたが、3DO規格で発売された初期のゲームソフトの大半がいわゆる「洋ゲー」に極端に偏っていたことから一般への普及が遅れ、国産の32ビット機であるセガサターンやプレイステーションに追いつかれてしまい、のちにNINTENDO64の登場で激化するハード戦争の中で完全に取り残されてしまいました。

17.すさまじく長い名前のゲーム「スーパーストリートファイターIIX for Matching Service Grand Master Challenge」


なぜかナンバリングが更新されず「ストリートファイターII」としてタイトルを重ねていたストリートファイターシリーズですが、2000年にドリームキャスト専用ソフトとして発売された際には、タイトルが「スーパーストリートファイターIIX for Matching Service Grand Master Challenge」というすさまじく長いものとなり、アメリカでも話題となったそうです。

18.ガイルのバグ
ストリートファイターIIには多くのバグ技が存在しましたが、その中でもなぜかガイル関係は群を抜いて多くなっています。中でも有名なものとして「真空投げ」という、特定の動作をすると相手がどこにいても投げることができるようになるというものがあります。このバグの関連技として、海外では「ガイルの手錠」として知られるバグ技があり、相手がやられモーションのまま完全に停止してしまい、ガイルのあとにくっついて動いてしまうというもの。

真空投げを行うことでこの「手錠」は解除されますが、この状態のまま時間切れを迎えると完全にゲームがフリーズしてしまうなど、かなり致命的なバグとなっています。そのほか、電源が落ちてしまうものなど、現在ではちょっと考えられないようなバグが初代ストリートファイターIIには散見されます。

YouTube - Street Figher 2 Handcuff Glitch


19.中国にも存在した実写版ストリートファイター
2009年に「ストリートファイター ザ・レジェンド・オブ・チュンリー」が公開され、公式の実写映画は1994年の「STREET FIGHTER」と合わせて2本ということになっていますが、中国でもこっそりと「Future Cops」という名前でストリートファイターシリーズのキャラクターを使った映画が公開されていたようです。

ベガやリュウ、ケン、春麗、サガット、エドモンド本田、ガイル、ダルシム、バルログなどが登場しており、2043年の未来からファイターたちが1993年にタイムトラベルして闘うという内容の映画となっているようです。俳優としてはアンディ・ラウなどが出演しています。

YouTube - trailer: future cops (aka Street Fighter) 超級學校霸王


20.韓国にもあった実写版ストリートファイター
詳細は不明ですが、どうやら韓国にも実写版ストリートファイターが存在したようです。「Street Fighter TV Show」というタイトルからするとどうやらテレビシリーズのようですが、ある意味すごいクオリティです。

YouTube - Street Fighter TV Show


・関連記事
最も美しい闘う女性ゲームキャラクタートップ25 - GIGAZINE

「ストリートファイターIV」や「マーヴルVS.カプコン3 フェイト オブ トゥー ワールド」のプロデューサーが開発の裏話を公開 - GIGAZINE

カプコンがスマートフォン向けソーシャルゲームを本格展開、新ブランド「ビーライン」を立ち上げ - GIGAZINE

スーパーマリオブラザーズから学べる5つの教訓 - GIGAZINE

記事全文へ