“焼肉酒家えびす”食中毒事件〜このチェーンをヨイショしたメディアに責任はないのか?

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今回はkappamanさんのブログ『誰も通らない裏道』からご寄稿いただきました。

“焼肉酒家えびす”食中毒事件〜このチェーンをヨイショしたメディアに責任はないのか?
死者を出した、焼き肉チェーン店“焼肉酒家えびす”の食中毒事件。このこと自体について述べることはもはや何もないのだが、植草一秀氏のブログ * を拝読していて↓のようなテレビ放送があることを知った。


「人生が変わる深イイ話【殺人焼き肉チェーン「焼肉酒家えびす」】 」 『youtube』
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=jYqX3b4VMbY&gl=JP

私がこの映像を見て瞬間的に思ったのは、この番組をつくるにあたって“焼肉酒家えびす”はテレビ局にカネを出していないのか? ということだった。
ここ最近、テレビではいろいろな旅番組やそれに類した番組をやっている(その理由はなにより制作コストが安いからだろう)。少し前に聞いたのだが、その手の番組では、有名人がいかにも偶然フラッと目についた店に入るようなシーンをよく見かけるが、ある番組では実はそういう店から事前に少額ではあるがカネをとっているという。

声をかけられた店にしてみれば、テレビ番組で紹介してもらうことのメリットは計り知れず、もしそれを宣伝費に換算すれば、テレビコマーシャルの価値が下がっているとはいえ、小さな個人経営店で出せる金額ではない。であれば、「うちの番組で紹介したいので、ちょっとだけおカネを出してくれませんか?」と人気番組のスタッフに言われれば、たいがいの店はOKするだろう。
もしそこで断ったら別のライバル店にこの番組スタッフは行ってしまうかもしれず、そうなれば自分の店にとっては大打撃となる。であれば、少しぐらいなら……と思うのは人情だ。

そこで↑の番組である。これは視聴者からの投稿情報があって番組が取材に行ったという体裁になっているが、それは事実なのか? なにしろこの紹介のしかたは“焼肉酒家えびす”にとっていいことずくめで、もし番組を視聴した後にこの店の看板を見れば「あ、あの店か」とみんなが思う。しかも、安くて美味しくて子ども連れの客にも親切な接客をしてくれるとテレビ局が太鼓判を押しているなら、これは家族連れにはポイントが高い(私も経験があるが、子ども連れに寛容な店というのはありがたいものだ)。
そして、この事件が起きたのは放送の数日後であり、犠牲者の最初の2人は子どもである。

となれば……。
少なくとも、この番組が本当に視聴者の投稿によって取材を開始したものなのか? “焼肉酒家えびす”からテレビ局には一銭のカネも出ていないのか? 広告代理店はまったくからんでいないのか? それを説明する責任が放送局にあると私は思う。

*:「死者2名食中毒焼き肉えびす社長驚愕(きょうがく)の逆切れ会見」 2011年5月2日 『植草一秀の『知られざる真実』』
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2011/05/2-b3cd.html

執筆: この記事はkappamanさんのブログ『誰も通らない裏道』からご寄稿いただきました。

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