究極のエコカー? LPガス車に乗ってみた

写真拡大

震災直後のガソリン不足は現在ではかなり改善されたものの、ガソリンの価格は高値で推移している。いまや、世間の自粛ムードとも相まって、レジャー目的で自動車のガソリンを使うことは、罪悪感を伴う行為となってしまった。

震災の影響で、さまざまな業種が電力不足、ガソリン不足で悲鳴を上げていたが、タクシー業界は、自粛ムードでの利用減はあるものの、燃料不足で身動きが取れないという事態は生じていなかった。タクシーの燃料は主にLPガスなのだ。エコカーといえば、ハイブリッド車と電気自動車だと思われているが、家庭用のプロパンガスと同じ燃料で走るLPガス車も実は黒煙・PMを排出せず、低NOxの低公害車なのだ。

LPガス車は、主にタクシーや商用車として使われている。社団法人LPガス自動車普及促進協議会のサイトによると、タクシーでは、93%がLPG車なのだそうだ。スタンドは、全国に1900か所存在し、自家発電装置を持つスタンドもあり、災害時(阪神淡路大震災)でも活用されたらしい。

今回の震災でも“災害に強い”ということで注目されたLPガス車だが、一般の人が自家用にするには、ランニングコストが高い・不便という、まとめ結果が流布している。本当にそうなのか?

デメリットとして指摘される点を検証してみよう。

1.給油所が少ない
遠出に不安を感じるという意見もあるが、全国1900か所もあれば、航続距離が短く、充電場所も少ない電気自動車よりも、はるかに安心だし、事前にスタンドの場所を調べておけば何の問題もない(と思う……)。

2.ガスタンクがトランクスペースを占領する
タクシーのトランクに、荷物を入れたことがある人は居ないのでしょうか? 実用上全く問題ない(と思う……)。

3.燃料タンクに使用期限がある
高圧ガス保安法により6年毎に検査が必要で、検査費用が高額といわれている。6年に1回、容器検査料 3万6750円(税込み)と容器脱着工賃1万500円(税込み)程度の金額を払う必要があるらしい。車検ごとに車を乗り換えるような人には、向いていないが、アシ車として6年間乗ればいい(と思う……)。

4.個人向けに燃料の税法上の優遇措置がない
リッターあたりの価格も、現在70円〜80円前後といわれているが、ガソリンの約半分だ。燃費については、車種や走行条件にもよるが、タクシー上がりのクラウンでも街乗りで7〜8km/Lは走るだろう。最新の低燃費車には負けるかもしれないが、コストパフォーマンス的には、十分だ(と思う……)。

ところでLPガス車ってどこで買えるのか?という疑問を持った人も多いだろう。LPガス車は、タクシーの他に自動車教習所などでも使用されているようだが、一般向けにはほとんど販売はされていないのが現実だ。しかし、あるところにはある。ためしに、有名中古車販売サイトで、「LPG」で検索してみるといい。車種は限られるが、それなりの台数が検索結果にでてくるはずだ。トヨタのクラウンが多いのは、“タクシー上がり”が多いためだと思われるが、ヒュンダイグレンジャーのように、元々LPガス車が設定されているケースもある。

それ以外に、オーナーが独自にLPガス仕様に改造した車両もあるが、滅多に中古車市場にはでてこないだろう。現在所有している車両を、LPガス車に改造することもできる。ほとんどの車が、35万〜80万程度で改造できるらしいが…。となると、やはり一番入手しやすいのは、タクシー上がりのクラウンではないだろうか。“タクシー上がり”は、走行距離が30万キロオーバーの場合も多く、一般的なドライバーからは敬遠されるかもしれない。

じつは、筆者の実家では、もう30年も昔からLPガス車に乗り続けている。父は、昭和が終わって10年も経つというのに、フェンダーミラーでコラムシフトの車に乗っていた記憶がある……。さすがに、今はオートマ車に乗っているが、コラムシフトの中古車があれば、そちらを買ったに違いない。

さっそく、父のクラウンを借りてドライブしてみた。始動性は問題なく、スムーズに走り出した。当たり前か……。ボロくてもクラウンなので、乗り心地は悪くない。加速性については、一般に言われているように、トルク感は薄いのだが、イライラするような遅さではないように思う。点火時期を早めていないノーマル状態のキャブレター車の乗り味に近い……。今や、キャブレター車に乗ったことがある人は、相当の年寄りか、マニアだけだと思うが……。急加速するには、踏み込まなければならないが、マイルドなトルク感で、これならば、乗り物酔いをしやすい人を乗せても、酔わないかもしれない……。豪華装備で、車重もそこそこある車種なので、いささかもっさりした乗り味ではあるが、一旦加速してしまえば、安定性も高く運転していても疲れない。クルーズコントロールまでついているので、高速道路も快適に走行できそうだ。これなら、アシ車としては実用上全く問題はないといえる。

「走行距離30万キロって、ありえねえだろ!」という方がいるかもしれない。しかし、筆者の父は毎日片道1時間の通勤で、10年も使用しているが、これといって不具合は生じていない。メンテナンスも、トヨタのディーラーでやってくれるし、整備点検・車検費用もガソリン車に比べ特別高くはない。乗り出し価格30万もあれば、過走行車で年式は古いもののクラウンのコンフォートクラスのオーナーになれる。いまどき、フェンダーミラーというのも、なかなかオシャレかもしれない……。

究極のエコカー?LPガス車に乗ってみた

■ 参考サイト
ダイコー自動車整備株式会社
http://www.daiko-eco.jp/
LPガス自動車普及促進協議会
http://www.japanlpg.or.jp/lpgcar/index.html
株式会社ヤナギ
http://www.yanagi-toseki.com/yanagi/index.html
被災地で活躍したLPガス車について調べてみた
http://matome.naver.jp/odai/2130136847961939601

■関連記事
日本初! タクシーを簡単に呼べるiPhoneアプリが登場
タクシー騒動の平野綾さんは以前にもタクシーでトラブルが発生していた
平野綾のタクシー暴走騒動に対するネットの声「俺のあーやは悪くない! 全力であーやを守る!」
人気声優の平野綾がタクシーで拉致されそうになる! Twitterで多くの同情を買う反面2chでは「大げさ過ぎ」の意見
【規制バスター】利用者がタクシーを選びやすいような工夫を ”政策工房”原さんが語るタクシー規制の問題点