確実に退団する者もいれば、間違いなく残留する者、そして「分からない」という選手もいる。来年のミランは、契約満了を迎える多くの選手たちの去就次第だ。アドリアーノ・ガッリアーニ代表取締役はこれから、そういった選手たちと話し合うことになる。

一部の選手の運命が決まっている一方で、その未来がミラノにあるかどうか確実ではないMFジェンナーロ・ガットゥーゾやMFアンドレア・ピルロ、MFクラレンス・セードルフといった“重鎮”たちもいる。

スクデット獲得を決め、オーナーのシルヴィオ・ベルルスコーニ氏は、チャンピオンズリーグでの勝利を取り戻すために、「チームは充実するだろう」と保証している。だがファイナンシャルフェアプレーを見据え、その出発点となるのは、7000万ユーロという2010年の赤字なのだ。

ただしそれにより、フロントがサントスMFガンソの獲得を目指さないということではない。ガッリアーニ代表取締役は「我々はコストを抑えなければいけないが、それはビッグネームを売却することによってではない」と話している。彼はすでにディフェンスを強化した。フリートランスファーで加入する2人の重要な選手を確保しているのだ。

DFフィリップ・メクセスは、残留が見込まれる契約満了を迎える選手の一人、DFアレッサンドロ・ネスタのキャリアを延長する助けとなるだろう。一方、DFマレク・ヤンクロフスキーは退団が見込まれ、彼の代わりに左サイドバックとしてマルセイユDFタイエ・タイウォが獲得されるはずだ。同選手はフランスのパスポートを近く取得すると見られ、外国人枠に関する最後の障害も解決される。

一方、中盤では4人の重鎮たちの去就を決めなければいけない。セードルフとピルロは「分からない」と話し続けている。マッシモ・アンブロジーニは残留するだろう。状況が異なるのはガットゥーゾだ。同選手は「どっきりかと思ったが、実際はすべて事実だった。33歳も半ばとなれば、そういう金額について考えないわけにはいかない」と話している。

「そういう金額」とは、彼を無関心にはしておけないアンジ・マハチカラのオファーのことで、ロシア4番目の富豪をオーナーに持つ同クラブは、クリスティアーノ・ロナウド並みのオファーをガットゥーゾに、彼の年齢の選手に対して誰も払うことはないであろう金額の移籍金をミランに用意している。

MFケヴィン=プリンス・ボアテングについては、ガッリアーニ代表取締役が断言しているように、「ジェノアのフロントとの紳士協定」がある。だが、ガットゥーゾもピルロもいなくなった場合、MFマルク・ファン・ボメルのほかにも誰か必要になるのは明らかだ。

GKに関しては、フェデリコ・マルケッティがクリスティアン・アッビアーティの控えとなるかもしれない。マルコ・アメーリアは完全移籍とならず、ジェノアに戻ることになるだろう。