電子機器の生産を請け負うEMS(電子機器受託生産)分野で世界一の規模を誇るのが、「Foxconn(フォックスコン)」のブランド名で展開している台湾の鴻海精密工業。

パソコンだけでなく任天堂、ソニー、マイクロソフトのコンシューマーゲーム機の生産も手がけ、さらにAppleのiPadやiPhoneの生産も行っているわけですが、Apple製品の生産を手がける工場で昨年相次いだ自殺を受けて、工場勤務者に対して「自殺しない」という誓約書に署名させたことが明らかになりました。

詳細は以下から。
Workers in Chinese Apple factories forced to sign pledges not to commit suicide | Mail Online

イギリスのDailyMail紙の報道によると、中国の成都および深センにある、FoxconnのiPadやiPhoneの製造を担当する工場で行われた調査で、過去16ヶ月間の間に少なくとも14人が労働条件を苦にして自殺したことを受け、工場勤務者に対して「自殺しない」という誓約書に署名させていたことが明らかになったそうです。

この誓約書の内容は「もし誓約を破って自殺すると、残された家族に対しては法律で定められた最低限度の保証のみしか行われない」というもの。ちなみに自殺が発生し始めたころ、Foxconnは工場に修道僧を呼び、悪霊払いを行わせたとのこと。

なお、労働団体「SACOM(Students and Scholars Against Corporate Misbehaviour)」が工場勤務者に対して行った調査では「1ヶ月当たり36時間」の法定基準があるにもかかわらず、1ヶ月に98時間の規定時間外労働を行った勤務者がいたほか、iPadの需要がピークに達した時期には13日に1日の休暇のみしか認められず、労働者同士の会話は禁止、12時間交代のシフトで勤務……といった過酷な労働環境が明らかになっています。

作業風景はこんな感じ。


また、労働者の寮は「最大24人で1部屋」というもので、基本的な日給は5.2ポンド(約690円)と薄給。生産委託元のAppleは独自に定めた労働基準などを遵守するようにFoxconnに対して働きかけていますが、成都では1ヶ月あたり60〜80時間の超過労働が当たり前であるとされています。

ちなみにFoxconnは労働者が超過勤務を行っていることを認めていますが、「すべての時間外労働は労働者による自主的なものである」と主張しており、あくまで労働者の側に責任があるという立場であるため、この問題が解決するまでには多くの時間を要することになりそうです。

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