ことばの誤解を避けるためには?

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 自分が発したことばが誤解されてしまい、相手の怒りを買ってしまったり、恥ずかしい思いをしてしまったりしたことはないでしょうか。

 ことばを使ってコミュニケーションを取る以上、誤解は避けたいもの。どうすれば誤解を生まないようになれるのでしょうか。日本語学者の飯間浩明さんは、結論から言えば誤解を生まないようにするのは不可能だといいます。ただ、誤解のしくみさえ知っておけば、生まれてしまった誤解を修正したり、誤解をあらかじめ予防できたりもします。
 飯間さんが執筆した『ことばから誤解が生まれる』(中央公論新社/刊)には、ことばの誤解のメカニズムと、誤解を起こさないための対処法が分析、説明されています。

 飯間さんによると、ことばの誤解は「音声」「文法」「語義」「状況」「表現意図」などから生まれるといいます。
 例えば音声ですが、これには主に「聞き誤り」と「同音語の取り違え」があります。
 「聞き誤り」は、「真ん中」を「漫画家」と聞き間違える…といった形のもので、比較的分かりやすいのですが、「同音語の取り違え」は誤解が生まれたことに気づきにくいものです。

 「同音語の取り違え」で代表的なものの1つが「地名」です。
 目黒区の「洗足」(せんぞく)に行ってきたので「“せんぞく”に行ってきた」と友だちに告げたところ、台東区の「千束」(せんぞく)と勘違いされてしまった…ということが起こるかも知れません。また、ちょっと分かりやすく説明しようとして、「環七通り沿いの“やまとちょう”に住んでいるんだ」と言ったところ、中野区の「大和町」と板橋区の「大和町」は同じ環状七号線沿いにあり、これまた誤解を生んでしまった…というような形で、音声ははっきりと伝わっても、全く別の場所をイメージさせてしまう可能性があります。

 もちろん同音異義語は地名だけではありません。飯間さんは、こうした「同音語」の取り違えは日本語の宿命であると言い、別の言葉に置き換えるなどして相手に伝える工夫が必要であると述べています。

 本書では、どうしてことばによって誤解が起きてしまうのかを分析し、誤解を意識的に防ぐための方法を説明します。飯間さんの言う通り、完全に誤解を生まないようにするのは不可能なことです。だからこそ、どうして誤解が起きるのか、そのメカニズムを知ることが、いざ誤解を生んだときに助けとなるはずです。
(新刊JP編集部/金井元貴)


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