予選リーグを戦った朝日健太郎・青木晋平組は、1勝2敗。準決勝への道が閉ざされてしまった (撮影:野原誠治)

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 ロンドンオリンピックまで440日あまり。これをまだあると見るか、もうないと見るか。

 男女とも五輪を見据え、新しいパートナーとともに、国内開幕戦の東京オープンに挑んできたビーチバリヤーたち。特に男子は、長く日本のトップに君臨してきた朝日健太郎、白鳥勝浩がペアを昨季で解消。だが、五輪出場へ向け強化指定選手に選出、双方とも新しい相棒が決められ、世界で戦うべく新規のチーム作りの最中である。チームを作り上げるために440日は足りるのであろうか。

 朝日健太郎・青木晋平組は予選リーグを1勝2敗。決勝トーナメントに進むことができず、2日目にしてお台場のビーチを去ることになった。国内ナンバー1の高さを誇り、ツアー優勝回数も歴代トップの朝日にとって最終日、決勝を戦わないのは06年以来の屈辱だが、チームが踏むべきプロセスと考えているのか、「今までは当たり前だった。いい経験だと思う」と淡々と話した。

 チームの現状については「もろさがあり、相手の作戦に対して対応力がない。チームの力がない」と言う。青木が「修正点、課題があり、今のプレイができなくなる。集中力がなかった」と反省するものの、朝日は「新しい局面だと思う。チームの方向性は見えている」と希望を口にする。

 チームが形になるのは?と問われると「今年の末までには」と答えた。チームのスタートから8ヶ月は必要。やはり時間はかかる。

 白鳥勝浩・今井啓介組は準決勝に進んだが、井上・長谷川組にストレートで敗れた。高さのある今井の強打がことごとくブロックされ、白鳥の、読みと身体能力が合わさったレシーブも巧みな戦術も相手を崩すまで至らなかった。

 敗戦後、白鳥と今井はネットをはさみ、30分以上もスパイクのコース、ブロックの位置などを振り返り、確認していた。しかし、その後の会見では落胆、悲壮の言葉は聞かれなかった。

「やっと勝負ができるかな。先は明るくなりそう」と白鳥が言い、今井は「1試合ごとにできつつある」と話す。チームのスタートから、ここまで試行錯誤の日々だった。「チームの方向性が定まらず」(白鳥)、最も有効な2人のポジション、ブロッカー、得意なトスの高さまで探りながらやってきた。「勝てるとは思っていなかった」(白鳥)状態から、ようやく土台ができつつあると言う。

 だからチームの構築の目途は無く「目標、ステップはこれからつくっていく」と白鳥は話す。

 チームが形になったところでオリンピックを迎えていては遅すぎる。目標であるアジア大陸予選(五輪予選)のファイナルは来年6月。また、それまでに東アジアゾーン予選を勝ち抜かなくてはならない。

 ビーチバレーは戦術と読みが重要であり、経験のスポーツと言われる。パートナーとのチーム作りも同様である。2人の最高のパフォーマンスを引き出すには、チームとして様々な経験が必要である。朝日、白鳥ら個人の経験をチームに注入し、残された少ない時間の中、どこまで成長できるか。440日。それほど多くはないように思う。

(取材・文=小崎仁久)