福島第一原発の放射能漏れ事故以来、「ただちに健康に被害はない」という曖昧な言葉とともに「ベクレル」「シーベルト」などといった聞き慣れない用語を耳にする毎日が続いています。

 そんななか、こうした状況に漠然とした不安を抱えている人に向け、放射能に関する基礎知識を解説する書籍が相次いで緊急出版されています。本書『世界一わかりやすい放射能の本当の話』(宝島社)もそんな1冊。

 放射能について専門的に学んだ経験のない人にとっては、こうした解説本は難解に受け取られがちです。そんな事情を考慮して、本書は放射能対策をしたいと考えている人に対し、具体的にどんなことをすべきなのか1問1答形式で明示しています。

 また、放射能漏れの被害を受けない地域に住む人にとっても関心が深い「飲食の安全性」についても触れられており、次のように解説しています。

 「路面で栽培されている野菜や果物には放射性物質が付着しやすいが、市場に出回っているものは基本的に安全。心配ならば、水洗いをしたり皮をむけば軽減することができる。肉や卵、魚や根菜類については、食品中への放射性物質の蓄積や人体に移行する量が少ないため過度に心配する必要はない。水道水は安心して引用して問題なし。気になるようなら清潔な形で数日間経過させるだけでも、半減期により放射性ヨウ素の放射量は低減する」

 一方、あまり知られていない事実として、「もともと食品生産と加工にはさまざまな場面で放射線が使われている」という少々ショッキングな情報も明かされています。

 じゃがいもの発芽を抑制するためにガンマ線の照射が行われていたり、作物や果樹の品種改良のため放射線を当てるというのも「ごく当たり前」に行われてきたことだとか。世界でも、食肉の殺菌や果物の長期保存のためなどで、食品への放射線利用は多岐に渡るのだそうです。

 曖昧な情報でパニックになる前に、まずは自分の眼で信用できる情報を探し出すことが必要とされているのかもしれません。



『世界一わかりやすい放射能の本当の話』
 著者:
 出版社:宝島社
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