震災後、にぎわいを見せる東北地方のアンテナショップ。東銀座駅近くの「いわて銀河プラザ」では、悪天候の中でも店内を埋めるほどの混雑ぶりだった

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国内旅行者が前年比2割減ともいわれる今年のGWだが、地方の特産品が都内で手に入るアンテナショップが盛況だ。なかでも、東日本大震災で被災した東北地方のアンテナショップは、連日行列ができるにぎわいを見せている。

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東京メトロと都営地下鉄の東銀座駅から徒歩すぐの「いわて銀河プラザ」は、岩手県のアンテナショップ。銀座から築地へ続く晴海通りの一角にあり、観光客も多く訪れる立地だ。5月1日の16時ごろに訪れると、小雨が降る空模様にも関わらず店内は大混雑。「岩手のお酒を飲んで、被災地を助けましょう」や「おいしい岩手の漬物はいかがですか」といった威勢のよい声が響き、3か所あるレジにはいずれも行列ができていた。「震災前は、週末でも多くて2500人ほどだった利用者数が、4/30は4300人のお客様にお越しいただきました」と、その盛況ぶりに驚きの声を上げるのは、広報担当の大竹幾子さん。ショップの場所についての問い合わせも殺到しており、多い日で20件ほどの電話が寄せられている。

通常2000品目並ぶ品揃えは震災前の8〜9割程度。製造工場の損壊が激しかった魚の加工品を除いて、ほぼ従来の品揃えに戻りつつあるという。そのなかで最も売れている商品が、ばら売りの南部せんべい。42円の代金のうち10円が義援金として被災地のために寄付され、4月だけで7200枚を売り上げた。そのほかの人気商品は、塩蔵わかめやサンマの水煮缶。「今年は新物の出荷が難しいため、震災前に生産された在庫がよく売れています」と大竹さん。店頭には、岩手までの交通情報やボランティア情報、各地の被災状況などが掲示されており、利用客からは「地元が岩手なので、心配で来ました」といった声や、「旅行で何度も岩手を訪れているので、何か恩返しができれば」といった声が届いているという。

一方で、東京メトロ葛西駅より無料送迎バスで8分の「イトーヨーカドー葛西店」館内にある「ふくしま市場」は福島県のアンテナショップ。主な客層が地元客という、都内では珍しい形態だ。こちらも震災後に利用客が急増。そのにぎわいがニュースなどで報道されたこともあって、震災前の週末は多い日で600人だった客数が今では2000人近くまで増えているという。1100品目あった品数は一時300品目まで減少したが、現在では900品目まで回復。しかし、出荷規制のかかっている野菜や、放射能検査中の山菜はいまだ販売できない状況だ。「毎年、この時期は山菜フェアを実施し、福島の野山で獲れた山菜を天ぷらや炊き込みご飯で出しているのですが…。お客様にも好評のフェアだけに、今年はできなくて残念です」と悔しさをにじませるのは店長の桜田 武さん。

震災前は、からし菜、葉わさび、行者にんにくなど、路面側を埋めるように並んでいた野菜も、今はその3割程度。それでも、被災地の農家を支えようと野菜が飛ぶように売れ、今では、この時期では珍しく、トマトとキュウリが全体の売り上げの2位と3位になっている。「私たちが買い支えるから、お店を閉めないで頑張って」といった声も届いているそうで、桜田さんは「私たちが福島産の農産物を売ることで、元気を失っている福島の農家の方たちがパワーを取り戻すきっかけになれば」と力強く語る。

連休中、一層にぎわいそうなアンテナショップ。気になるのは品切れだが、いずれのショップも十分な在庫を確保しているので問題ないとのこと。しかし、流通事情の悪化で商品が届かなかったり、予想を超える混雑によっては、品切れの商品が出てくる可能性があるという。

震災後初の大型連休、今年は遠出をしないという人も、東北の特産物を食べて旅気分に浸ってみてはどうだろう。【東京ウォーカー】

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