元WEC世界ライト級王者ベン・ヘンダーソンが、UFC初陣を迎える。ドナルド・セラーニ、ダニー・カスティーロに続き、UFCファイター越えとなるか

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トロントのロジャース・センターで、30日(土・現地時間)に行われるUFC129「GSP vs Shields」。セミ&メインを頭に、総勢10試合にカナダ人ファイターが出場する。なかでも、トロント生まれでATT所属のマーク・ボセックの試合は気にあるマッチアップだ。

ノヴァウニオンの第一世代といえるジョン・ホーキから、黒帯を授けられたボセック。2007年ADCC北米予選で優勝するなど、そのグラップリング能力の高さはUFCデビュー前から定評があった。ただし、MMAへの対応能力でその持てるポテンシャルがなかなか発揮できず、同時にフランキー・エドガー、マック・ダンジグという強豪と早々に対戦したこともあり、黒星先行の厳しい状況にあった。

それでも現在はUFC戦績5勝3敗と勝ち越し、ソリッドながら力強いトップからの攻めで評価が再浮上中。5万5000人の声援を背にするボセックと対戦するのは、元WEC世界ライト級王者ベン・ヘンダーソンだ。

オクタゴンのなかは1×1、その一人を支えるチームの総合力も問われる昨今のMMAにあって、所属ジムは関係なしに、ある種の一体感を持つファイターたちがUFCに存在する。それが旧WECライト級勢だ。WECがUFCに統合され、バンタム級&フェザー級というUFCに階級が存在しなかったクラスのファイターたちは、この一本化を手放しで大歓迎した。WECでの戦いが、そのままUFCにグレードアップしたからだ。その一方で、ライト級ファイターたちはUFC参戦に喜びを感じた一方で、厳しい現実と向き合っていたに違いない。

UFCライト級は、疑う者がいない世界最高峰だ。対して、同じズッファのシスター・ブランドとはいえ、WEC世界ライト級ファイターは一枚落ちるという風に見られていた。 WECという名前が身近に感じられる間に、旧WECライト級ファイターは、UFCで確固たるポジションを獲得しなければならない状況にあった。

2月5日、ドナルド・セラーニがポール・ケリーを破った際、セラーニは旧WEC代表のリード・ハリスと堅く握手をかわし、WECのマッチメイカーだったショーン・シェルビーはニンマリと笑顔を浮かべた。その後、ダニー・カスティーロがジョー・スティーブンソンを下し、UFCでも通用することを証明した WECライト級勢、アンソニー・ンジョグアーニはエジソン・バルボーサに敗れたものの、この試合はUFC128のファイト・オブ・ザ・ナイトを獲得している。

ここで元WEC世界ライト級王者ベン・ヘンが、PPVラインナップに出場しボセックと対戦するわけだ。ベン・ヘンはレスリング・ベースの柔術を駆使し、またテコンドーのエッセンスを感じさせる打撃を使いこなす、独特のスタイルの持ち主。純粋なグラップリング力では、ボセックが上回ると予想されるが、サークリングと打撃が加わったMMAグラップリングではベン・ヘンのものか。勝負の鍵は、テイクダウンの攻防と背中をマットにつけた状態での仕掛け。

安易にボセックが飛びこむようなことがあれば、ベン・ヘンがギロチンで秒殺ということも考えられる。6月4日のTUFフィナーレでは最後のWEC世界ライト級王者アンソニー・ペティスが、クレイ・グィダと対戦するなど、引き続きWECライト級勢の生き残りを賭けた戦いが続くが、元王者ベン・ヘンのUFC初陣は要注目だ。