流通の世界では、「スーパーの売り場は、その時代における消費者の変化を反映している」と言われています。では、現代の消費者はスーパーの売り場に何を求めているのでしょうか。

 その傾向を読み解く鍵が「PB(プライベートブランド)」です。メーカーが企画・開発した商品ではなく、スーパーなどの小売業が自ら企画・開発した商品を指す言葉で、深刻な不況を引き起こしたリーマン・ショック以降、多くの小売業者が独自の商品展開に乗り出しました。

 「PB」を巡る現状について詳しく解説した書籍『PB「格安・高品質」競争の最前線』(日本経済新聞出版社)によれば、日本最大の「PB」は大手流通イオンの「トップバリュ」。約5000品目の商品を展開し、4489億円もの売上高を記録しています(2011年2月期決算)。

 「PB」の特徴は、まず第一に「価格が安い」こと。原材料費から物流費まで徹底してコストを見直すことにより、不況に苦しむ消費者の支持を得ました。そして気になる品質も、「安かろう、悪かろう」ではありません。

 例えば、衣料品における「PB」の代表格のユニクロは、自社で全ての商品を作ることで巨額の利益を生み出していますが、その分、商品開発に莫大なコストをかけています。それはイオンなども同様で、「いいものを、安く」というイメージを壊さないよう試行錯誤を繰り返した後に売り出しているのです。

 「薄利多売」のイメージが強い「PB」ですが、何よりも安いものに敏感な消費者の動向を観察するのに、これほどぴったりな商品もありません。年々競争が激化している「PB」では、その時々の流行を確実にキャッチアップし、他社よりも安く製品化することが不可欠だからです。

 最近では「ノンアルコールビール」がこれにあたります。昨年、ノンアルコールビールの市場は前年に比べ約80%増と急成長しました。しかも、今年はさらに3割近くの伸びが期待されており、「PB」での商品化は時間の問題と見られていました。

 そんななか、イオンが1缶88円という値段で「トップバリュ バーリアル アルコールフリー」と「トップバリュ バーリアル 3つのフリー」という2つのノンアルコールビールを発売したとのニュースが。

 PB市場の競争は今後もますます激化しそうです。



『PB「格安・高品質」競争の最前線』
 著者:
 出版社:日本経済新聞出版社
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