イギリスの王と同じ悩みをもつ少女

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 現在公開中の映画『英国王のスピーチ』では、「吃音」(きつおん)に悩む国王がその症状を向き合い、国民に敬愛される国王に成長していく様を描いています。

 「吃音」では言葉がスムーズに発音できず、同じ言葉を連続して発したり、言葉に詰まって無音になってしまう、というような症状が出ます。原因は解明されておらず、完全に直す方法も見つかっていません。その症状に悩まされている人は、吃音を隠そうと神経質になってしまったり、うつ病や対人障害などの二次障害に悩まされたりすることもあります。

 『吃音センセイ―桜舞う校庭で』(佐藤文昭/著、講談社/刊)は、母親の入院がきっかけで吃音になってしまった少女の成長を描いた、実話を基にした小説です。
 吃音が原因でいじめにあい、学校ではいつも一人ぼっち。先生は理解してくれず、友達もできず、自分の殻に閉じこもりがちになってしまった京子を救ってくれたのは、同級生との淡い恋や、大学で出逢った恩師でした。

 京子はやがて、昔は居場所がなくて大嫌いだった学校で働くということを選び、小学校の教師になります。そして学校になじめないでいる問題児のタイジと出会います。
 過去の自分と重ね合わせ、タイジが孤立しないように、必死でタイジの心に寄り添おうとする京子。徐々に絆を感じられるようになったのに、卒業式の日、タイジが再び事件を起こします。

 人は人と関わることで、救われたり大きく変わることができるきっかけをもらうことができます。気にかけてくれる誰かがいるだけで、例えその人が近くにいなくても勇気が出て、強くなることができるのではないでしょうか。
 ちょっと頑張りたいと思うときに背中を押してくれる一冊です。
(新刊JP編集部/川口絵里子)



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