“普通の人”のための成功法則(2)

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 4月は新しい環境に飛び込む季節だが、誰しもが望んだ会社や部署、学校に入れるわけではない。しかし、自分が望まない環境に入らざるを得なかったからといって、そこで腐ってしまっては自分の可能性を狭めることになる。
 『20代でしておきたい「ささやかな成功」と「それなりの失敗」』(学研パブリッシング/刊)の著者である清水克彦さんは、本書の中でそういった若者にエールを送っている。今回は不本意ながらも今の環境にいる、という若者に対するメッセージを、ご自身の体験と重ねて語ってもらった。
 
■ 大手じゃないことは、成長のチャンス

―本書では20代の仕事への取り組み方にも触れています。20代の頃は仕事ができる人ほど一人で仕事を完結させたがるもので、清水さんもそういったタイプだったとのことですが、チーム全体で仕事を進めるというスタイルに至った転機はどのようなものでしたか?

清水「どんな人でもそうですが、1つの仕事だけをやっているわけでありません。ラジオ局の仕事にしても1人が3つ4つ番組を持っています。どれも自分ひとりでやろうと思うと大変なのですが、若い頃は自分ならできると思って全部抱え込んでしまいがちです。
私自身の体験として、いくつも仕事を抱え込んでいたおかげで、原稿や音声が放送に間に合わなかったというのがあります。出版の世界なら締切を伸ばしてもらうということも少しだけならできるかもしれませんが、電波媒体はそうはいきません。放送時間に間に合わせないと、どんなにいい原稿であっても0点なんです。そういうミスを何回かやってきたから、段々と自分のキャパシティがわかってきたんだと思います」

―文化放送の記者時代に最も強く印象に残った出来事は何ですか?

清水「たくさんありますが、記憶に新しいところですと、小泉内閣ができた時に田中真紀子さんが外務大臣になって、国民の熱狂的な支持を集めたことですね。当時は彼女を叩こうものならものすごいクレームがくるという状況で、小泉さんと田中さんがタッグを組んでいれば何でも可能になるのではないかと思えるくらい、ものすごい人気でした。それが印象に残っていますね。
小泉劇場が政治をお茶の間に近づけたといいますけど実際にそうで、バラエティしかやらない番組やティーンエイジャー向けの番組から政治の話をやってくれないか、小泉さんと田中さんの今日の動きを伝えてくれないかと言われるようになったんですよ。それまでは私がそういうネタを持っていっても政治ニュースなんかいらないと言われていたのに、すごい変化ですよ。
それは小泉さんや田中さんの勝ちだし、ある面でメディアの敗北を意味するんですけど、すごくエポックメイキング的な出来事だったと思います」

―当時は記者クラブに籍をおいていたんですよね。

清水「そうですね。でも記者クラブは大メディアが仕切っているところで、我々末端のラジオ局とか地方紙は発言の機会すら与えられないという非常にクローズドな世界なんです。だから私は記者クラブでの会見はほどほどにして議員の事務所に行ったり、宴会場の前で待っていたりという形でコンタクトを取るようにしていましたね」

―記者クラブの中でも序列があるんですね。

清水「東京の主だったテレビと、朝日・読売・毎日に代表される新聞社が仕切ってますからね。今フリーランスの方々が自由報道協会を作って対抗していますけど、彼らが感じているような気持ちは私も当時から感じていました。
この本のお話に戻りますが、どんな業界でも大手の会社とそうでない会社がありますよね。大手ではない、例えば中堅商社や中堅金融機関で働いている方は、大手の強さや自分たちの会社がいかに弱小かということを日々身に染みて感じていると思います。でも小さいなら小さいなりに、やろうと思えばやれることはいくらでもあるということを、この本を通してお伝えできればいいですね。
自分の例ですが、私がフジテレビに入社して解説委員やプロデューサーをやっていたなら、こうやって本を書くことはなかったでしょう。それなりに権限と予算を与えられて、芸能界や政財界にも顔が利いて、それなりに給料も良くてという立場に安住していたと思います。ちっぽけなラジオ局に入ったことで、万が一に備えて勉強しておこうという気持ちが生まれましたし、ラジオ局の外に打って出るようにもなりました。それがこれまでに出版した1冊1冊の本に繋がったと思います。それは講師として大学で教えていることもそうですし、他局でコメンテーターをしていることもそうです。
だから小さな会社に入っちゃったな、とか自分の会社は零細企業だから、と思う人もいるでしょうけど、逆にそれは自分を伸ばすチャンスだと思いますよ」

―本書をどんな人に読んで欲しいとお考えですか?

清水「この本が出るのは4月ですが、4月はスタートの季節であると同時に、万人にとって優しい季節ではありません。自分が希望していなかった大学に行くことになってしまったとか、希望していなかった企業に勤めることになってしまったとか、行きたくない部署に飛ばされたなど、自分の思いとは裏腹にスタートを切らざるを得ない人も多いと思います。そういう人たちに読んでもらいたいです。
また、東大や京大を出ているわけではないし、親がお金を持っているわけでもない、特別なスキルや能力があるわけでもないという人にも役立ててもらえるのではないかと思います」

―最後になりますが、現在20代の方々にメッセージをお願いいたします。

清水「人は自分に付けた値札どおりになっていきます。言い換えれば、こうなりたいと思い描いた夢は必ず実現します。全くイコールかどうかはわかりませんが、近似値のレベルで必ず実現するので、それを信じて目標を高く持って、毎日を足し算の感覚で生きてほしいと思います」
(インタビュー・記事/山田洋介)

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