私たちに何も知らされないまま、放射性物質は拡散していた―― 隠されていたSPEEDI情報やっと公開

写真拡大

●なにも知らないまま、なにも知らされないまま、放射性物質をあびていた

もう予測が必要な段階ではなくなっているような気もしますが、SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)の情報が、ようやく毎日公開されることになりました。


SPEEDIによる計算結果(4月25日より公表開始)
http://www.nsc.go.jp/mext_speedi/

ガジェット通信では、繰り返しこの問題に触れてきました。これまで公表されたSPEEDIによる資料は2枚だけでした。政府は、原発事故以来、内部的には毎日結果を出していながらそれらを隠蔽してきました。この行為は、とうてい許されるものではありません。内容についての評価は国民それぞれがおこなえばいい話ですので、どのようなものにせよ、それらは公開されるべきなのではないでしょうか。発表によれば、過去に出していた資料も、順次公開されていくそうです。公開予定の日付の一覧は、3月11日から始まっていました。もしかしたら3月11日からのなんらかの資料が公開される予定なのでしょう(追記:翌日、3月11日以降のすべての資料が公開されました)。それにしても過去に作成された「予測」の資料を、未来の私たちがはじめて目にするなんて、ほんとうにおかしな話です

3月15日から16日にかけて、福島原発から大量の放射性物質が大気中に放出されました。各地の、放射線量の計測ポイントでは、次々と急激な上昇がアナウンスされていました。茨城県は多くの観測点を県内に設けており、それらの動きをみることで、汚染された大気の動きを知ることができました。しかし、他の地域では観測点が充分とはいえませんでした。災害による影響で、観測点が機能していない場合もあったそうです。そういった地域では、なにも知らされないまま、放射性物質を浴びてしまった人もいるでしょう。

ネットを使って、自分自身で情報収集できた人たちはこのような情報をリアルタイムに得ることができました。しかし、政府・官邸・官公庁からの「公式」情報だけを見ていた人は、何が起きていたのかわからなかったのではないでしょうか。

SPEEDIの予測に関しては、今後毎日配信されることになりました。かなりの時間を要しましたが、透明化へ一歩前進。しかしまだ公開されていない情報があります。関連してとりおこなわれている会議の内容です。政府は震災や原発事故に関するあらゆる会議にカメラを入れ、内容をオープンにするべきですが、いまだそうはなっていません。原子力安全委員会のみ会議内容を速記録で公開していますが、乱立している他の組織は会議の内容を非公開としています。

特に「復興構想会議」は重要なテーマを扱っているにも関わらず、密室で会議がおこなわれ、内容が不透明な状態で進んでいます。参加者にも緘口令がしかれているようです。それなのにまず表に出てきたのは「復興税」の話。密室会議でお墨付きがつけられ、そのまま話が進んでしまうのはあきらかにおかしいです。すべての会議にビデオカメラを入れ、迅速な公開を基本とした形にするべきではないでしょうか。

日本の将来を決める会議は、密室でおこなわれるべきではありません

※「復興構想会議」について:内閣広報室によれば、議事録に関しては議長の意向ですべての会議が終了した時点で記者会見をおこない、その後公開されるとのこと。また、それぞれの会議終了2週間後をめどに会議要旨のみをまとめた資料(発言者匿名)を公開するとのこと。


■関連記事
文部科学省「20キロ圏内空間放射線量率」データ公開が遅れた本当の理由
米空中測定システム、ヘリや固定翼機の動画公開「なぜか海外から来る放射線汚染情報の不思議」
原発潜入ロボ「PackBot」が撮った写真と同型機が「かなり雑に扱われている」動画
「議事録がない」「動画も音声カット」原子力事故対策本部会議を可視化するための5つの方法
【動画まとめ】「がんばれ原発ロボ」PackBotが撮った原子炉建屋内部のビデオ