アメリカ軍が展開する「オペレーション・トモダチ」。震災直後から、米軍は空前の規模の救援活動を続けている。その作戦のひとつ、気仙沼湾に孤立する大島の救援作戦にフォトジャーナリストの笹川英夫氏が、同行密着した。

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 今回の大島でのミッションには、人材も先鋭部隊が投入された。中心になったのが、沖縄を基地とする第31海兵隊遠征部隊だ。真っ先に敵地に乗り込み、陣地を確保するその使命から「恐れ知らずの切り込み部隊」と呼ばれる。彼らの救援スキルは、2004年のスマトラ島沖地震での救援活動でも実証済みだ。

 すでに大島には、1週間前から野営していた、のべ170名の先遣隊が瓦礫除去作業に従事していた。時折交わされる海兵隊員と島民との笑顔のやりとりは、彼らが信頼を勝ち得たことを意味していた。

 彼らは、発電車両や海水濾過装置といったライフラインだけでなく、シャワーも設置した。1日にのべ1000人が使用可能だという。

 今回の作戦立案の中心にいるジェフリー・ジョーンズ海軍准将は、こんな話をしてくれた。
 
「先遣隊も今回の部隊も皆、志願者だ。館内放送で呼びかけたが、定員を確保するのに、10分もかからなかったよ」

命令だから動いているのではない。エセックスの船内で子供のおもちゃなどの提供を募ったところ、瞬く間に段ボール数十箱も集まったともいう。  衛生兵の1人がさも残念といった様子で話しかけてきた。
 
「エセックスには手術室やICUもある。でも医療の要請がないから何もできないんだ」

 一部報道では、今回の救援を普天間問題を抱える沖縄米軍の「PR」と捉える向きもある。だが、米軍がいなければ、犠牲は確実に増えていたはずだ。日本人だけでは、どうにもならなかったという現実それを受け止めなければいけない。

※SAPIO2011年5月4日・11日号




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