エロチックな写真が経済を復興させる?

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 川島隆太氏や茂木健一郎氏など、脳科学の分野の研究者たちがメディアを通して活躍するようになり、脳科学は一気に身近になりました。
 人間の行動の不思議を次々に解明していく脳科学は、現代人にとってはとても新鮮なものであると同時にまるで自分のことを見透かされているような感じがして、もどかしいものでもあります。

 ひとくちに脳科学といっても、扱う分野は多岐にわたります。
 経済活動もその1つ。株の動きや景気の流れを生み出すのは人間の欲望ですが、欲望が生み出されるメカニズムについての調査・研究が進んでいます。

■カジノと女性の過激な衣装の経済的な関係性とは…?
 スタンフォード大学のブライアン・クヌーソン博士は、ギャンブルゲームを行う前の若い男性に男女の抱擁写真など、過激な写真を見せました。すると、彼らの脳の側坐核(そくざかく)という部位が活性化し、ギャンブルにおいてハイリスクな選択をする傾向が強まることが分かったのです。
 クヌーソン博士は「セクシーな女性である必要はなく、事前の感情的インパクトがハイリスクを選ばせている」と分析しています。「カジノ」にはカクテルガールというドリンクをサービスするセクシーな衣装を着た女性スタッフがいますが、彼女たちはカジノの売り上げの促進に大きく貢献しているということになります。
 ただし、これは男性のみの話。クヌーソン博士は「女性にはうまくアピールできるエロチックなイメージが見つからなくて実験できなかった」と述べています。

 このエピソードは、2007年から2009年にわたり「夕刊フジ」で連載された「イヴのみる夢」に収録されていたもの。この連載をまとめたものがポプラ社から出版されている『世界一敷居が低い最新医学教室』。タイトルの通り、脳科学を通して現代の医学の最先端を見つめていくもので、失恋の痛みを抑える薬や画期的なメタボ治療法など、連載時の全90トピックが完全収録されています。

 著者の瀬名秀明さんは『パラサイト・イヴ』など、SF作家として知られていますが、薬学博士としての顔を持っています。
 そんな瀬名さんは、「(研究が)さらに進んでいけば、市場経済の動きでさえ予想できるようになるかも知れない」と語ります。それはもちろん、市場経済の分野に限ったことだけではありません。健康やメンタルヘルス、その他の様々な分野が大きく発展することでしょう。未来の自分たちの生活はどうなっているか、どんどん想像がふくらんでいきそうです。
(新刊JP編集部/金井元貴)


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