「将来の自分が想像できない」若手ビジネスマンへの処方箋
 仕事でもプライベートでも転機を迎えることの多い年齢が30代だ。この年代を充実したものにするためには20代のうちからしっかりとした準備をすることが大切になってくる。特に30代を迎える寸前の29歳という年齢は、まさに最後の準備の一年だ。仕事を充実させたいならこの一年でしっかりとした土台固めをしなければならない。しかし、20代、30代はエネルギーや機動力、成長性があるからこそ、いつからでも挽回が可能でもある。

 そこで、世の29歳たちは、30代になるにあたってどんなことを考えているのだろうか、ということをもとに、30代をよりよくするためのヒントを探っていく。今回は29歳の男女4人に、「5年後の自分」というテーマで30代の人生についてお話を聞いた。今20代の人はもちろん、30代の人も自分自身を振り返る意味でも参考としていただきたい。

■仕事について
 今回お話をうかがったのはKさん(男性・経営者)、Yさん(男性・フリーター)、Mさん(男性・プログラマー)、Eさん(女性・事務職)の4人。
 まず仕事について。
 「自分の中では、仕事は当たり前に全力でやるもので、それは今も5年後も変わらない。自分の会社の5年後は普通に思い浮かべられるから、それに沿ってやっていくだけだ」と語ったのは経営者のKさん。明確な事業のビジョンがあるため、それを細かく落とし込んで実践していくだけ、ということのようだ。
 一方、プログラマーのMさんは「チームリーダーやプロジェクトリーダーを任されるような人になっていたい」と語る。プログラミングだけではなく、マネジメントや上流工程の部分までカバーできる具体的なビジネスパーソン像を持っているようだ。そのため、これからコーチングなどの勉強をしたいというが、「実際のところは目の前の仕事に追われて勉強できていません…」とため息をもらす。
 Yさんはフリーターだが、フリーライターとしても仕事をしている。「具体的なものはないけれど、多分今と変わらず物書きはしていると思う。いずれは小説で賞を取りたいけど…」と口をつぐむ。また、Eさんは「うーん…特にイメージはないですね。未定です」と将来の方向性を決めかねている様子。

■お金について
 5年後は今よりもたくさんの収入を得ていたいと思うのは当然のこと。
 長く付き合っている彼女がおり、5年後までには結婚していたいと語るMさんは「子どもも欲しいです。その頃には賃貸でもいいから広めのマンションに住んでいたいので、自分が稼がなければいけない額も決まってきますね」と自分の将来像に合わせて逆算する形で希望の年収を割り出していた。
 Kさんは「収入に関しては他人と比べてもしかたないのであまり気にしていない」とあまりこだわっていない様子だが、そこは経営者。「年収1000万くらいあれば生活していける」と、そもそもの設定額が高いため、それ以上はあってもなくても、という感じのようだ。

■プライベート
 意見がもっとも一致したのが「結婚」で、4人中3人が5年後は「結婚していたい」と語った。
 そのためにどのようなことをしているか、ということについては、「一家を養えるくらいの収入を得られるように仕事を頑張る」(Mさん)、「体を鍛えている」(Kさん)など様々だったが、29歳というのは恋人がいるかいないかは別として結婚を意識する年齢であるということは確かなようだ。
 一方、唯一結婚したくないと言ったのはフリーターのYさん。「特に結婚する理由が見当たらないから」とのことで、子どもも欲しくないそうだ。


 この4人へのインタビューを振り返ってみると、5年後の自分に姿をイメージできる人もいれば、例えばEさんのように「全く考えられない」という人もいるということが分かる。

 34歳の自分を具体的にイメージできる人はそこに突っ走っていけばいいとして、Yさんのように「漠然としたイメージはあるけれどそこまで具体的ではない」といった人や、Eさんのように「全く考えられない」といった人はどうすればいいのか。
 『29歳からの人生戦略ノート』(金田博之/著、日本実業出版社/刊)は、たった一行の毎日の記録から、自分の進むべき道を見出し、人生戦略を立てる方法を教えてくれる一冊だ。

 
 本書で紹介されている「成長日記」。これは、その日起きた小さな成功を毎日一行ずつ書き留めていくというノート術だ。
 長文になると、書いているうちにどうしても疲れてしまい、なかなか長続きしない。しかし、一行ならば軽いメモ感覚で書けるはずだ。そうして積み重ねていった小さな成功は、「自分のできること」として蓄積されていく。
 また、一行の小さな成功の下に、「次は何をすべきか」をこれまた一行で書き添えよう。こうすることで、その小さな成功を翌日以降の行動につなげていけるのだ。こうして「成長日記」は動機付けへと変わる。

 「成長日記」が蓄積してきたら、今度はそれらをリスト化しよう。自然とそこには自分の得意なことや、自分の出来ることが並んでいるはずだ。そして、その中から自分が集中すべき分野を見つけ、5年後になりたい自分像を明確にし、計画を立てるのだ。
 自分の苦手な分野でもがくより、自分の得意な立ち位置を見つけたほうが確実に成果を出せるし、長期的に自分が活躍できるための土台を築くことができる。

 また、この本で紹介されているノート術は仕事面だけでなく、プライベート面でも大きな効果を発揮する。
 本書で勧めている方法の一つに「人生計画ノート」というものがある。
 5年後になりたい自分でいるために、自分を分析し、自己実現・リスク回避のための戦略をノートに書きしるすというものだ。ノートをつけることの効果は仕事面だけに留まらない。気がついたら仕事ばかりやっている人間になりがちなこの年代だからこそ、プライベートの予定から先に埋めることが有効で、そのためのノート術も本書には紹介されているのだ。
 例えば、Mさんの「勉強をする時間が取れない」という悩みは、先に勉強する時間をスケジュール帳に書き込み、そこから仕事やプライベートのスケジュールを調整すれば、確実に勉強する時間を確保できるだろう。
 
 仕事面では昇進や独立、プライベート面では結婚や出産など、20代後半から30代前半は環境が大きく変化する時期だ。そして、何よりこの時期の選択は30代後半以降の人生に対して大きな影響をもたらす。だからこそ、今のうちに「自分は何が出来るのか」を知り、確実に成果を出す人間になる必要がある。
 漫然と日々を過ごしてしまいがちな人は、ぜひ試してみてほしい。
(新刊JP編集部/山田洋介・金井元貴)


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