巣鴨信用金庫×エマニュエル・ムホー 3例目は“虹のミルフィーユ”

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巣鴨信用金庫志村支店は、3月に新築オープンしたが、このほど営業時間終了後、メディア向け内覧会を開催した。巣鴨信用金庫では、フランス人建築家・デザイナーのエマニュエル・ムホーさんとのコラボで、金融機関のイメージを一新する、明るく楽しい建築・インテリアデザインを採用、大きな話題を集めて来た。
金融機関といえば、建物や内装も機能的でお堅い一方のイメージがあるが、“ホスピタリティバンク”を目標に掲げる巣鴨信用金庫では、これまでにない内装・外観デザインを採用、新しいランドマークとして地域に浸透し、顧客がリラックス出来る、長くいたくなる空間づくりを展開、また来たくなる信金となることを目指している。
今回の志村支店は、都営三田線・志村坂上駅近くに立地。ムホーさんにとって、新座支店、常盤台支店に続いて3例目。ムホーさんは、このプロジェクトでは、建物本体の設計デザインから関わった。

志村支店のコンセプトは、“虹のミルフィーユ”。日中はイエロー、オレンジ、ピンク、グリーン、ブルーなど、建物からせり出した12色のアルミの層が白い面に反射し、ほのかににじみながら、暖かくて優しい外観を演出。夜はLEDでライトアップすることによって、季節や時候によって、様々な風景が楽しめる。
また、インテリアでは、屋上まで突き抜けた3つの楕円の吹き抜けが、空間に優しい日差しを運ぶ仕掛けが面白い。ムホーさんによると、この吹き抜けは、最も苦心したそうで、1Fから空だけが見えるよう角度を綿密に計算し、模型やCGでシミュレーションしたものの、現場で実際に施工するまでは、非常に心配したとのこと。施工上も、楕円の吹き抜けに合わせるため、それぞれアールが異なり、上下にテーパーのついた合わせガラスを1枚ずつ手作業で曲げたそうだ(吹き抜け部分は防犯上、閉店時はシャッターを閉めることが出来る)。「お客様に都会の中で自然を感じて頂きたかった」とムホーさん。初めて現地を訪れた時、中山道の交通量の多さと、大きな建物が居並ぶ、落ち着かない環境から、空を見上げたくなった第一印象がもとになって、来店客に空を見上げてもらうことをポイントにしたデザインが生まれたのだそうだ。
さらに、4mとこれまでになく高い天井や壁面には、カラフルなタンポポの綿毛のグラフィックがグラデーションに広がっている。これも、空を漂うイメージから発想されたものだが、ヨーロッパには、昔から願いごとをする時、タンポポの綿毛をそっとひと吹きする習慣があるのだそうで、「お客様の夢が叶えば」という願いも込められているようだ。
【建築概要】
■建築設計:emmanuelle moureaux architecture + design
■インテリアデザイン:emmanuelle moureaux architecture + design
□構造設計:(株)織本構造設計
□設備設計:山崎設備設計事務所
□施工:(株) 小松原工務店
□構造規模 / S造 3階建て
□敷地面積 / 762.53平米
□建築面積 / 401.38平米
□延べ面積 / 706.58平米(1F / 331.27平米、2F / 314.13m2 3F / 61.18平米)
□建蔽率 / 100% (52.64%)
□容積率 / 400% (92.66%)
□地域地区 / 商業地域,防火地域