北朝鮮のニュースを専門的に伝えるインターネットメディア、ディリーNKは11日付の記事で、北朝鮮の衝撃的な公開処刑の真相を明かした。平壌の消息筋からの情報をもとに「トウモロコシ50キロを盗んだ罪などでも公開処刑」と伝えた。

 平壌の消息筋は、2010年12月末、黄海北道勝湖邑(当時は平壌市勝湖区)にあるセメント工場の前の空き地で住民4人が処刑されたと明かした。その罪は「トウモロコシ50キロの窃盗」、「変圧器油を盗んで市場で売りさばいた罪」、「電線を切断して売りさばいた罪」など軽犯罪で、残り1人の罪は明かされていない。

 ディリーNKによると、当事者たちには弁明の機会すら与えられなかったことが分かった。「公開処刑が一旦決定されると、弁明の機会を与えられない」、「お酒を一杯飲ませた後、さるぐつわをかませて刑を執行した」と、消息筋が公開処刑の様子を明かしたという。

 記事は「トウモロコシ50キロは4月初めの物価基準で約5万ウォン(約1680円)ほどで、生活難による『生計型犯罪』だ」と伝えた。軽犯罪でも公開処刑をされる北朝鮮のすさまじい人権侵害の状況が垣間見られる。

 金正恩(キム・ジョンウン)体制へと三代世襲移行期にある北朝鮮で戒めのための公開処刑が急増しつつあり、2009年12月から1年間、北朝鮮当局は前年の3倍にあたる60人以上を公開処刑した。(編集担当:金志秀)



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