「政府は情報開示せよ!!」

 そう話すのは、テレビ朝日『スーパーモーニング』の名物リポーターで、宮城県出身の玉川徹さん。玉川さんは同番組内の「ちょっと待った!総研」というコーナーで、8年間に渡り政治家や官僚の不正を暴く突撃取材を続けてきました。その成果を書籍『ちょっと待った!総研』(講談社)にまとめ発行しました。

 本書には様々な取材体験が記されていますが、なかでも玉川さんの印象に強く残っている取材は、「UR(都市再生機構)」の天下り問題。この取材を通じて、税金を我がもの顔で浪費する独立行政法人の実態に触れ、自身の取材テーマを「税金の無駄遣い」から、「その裏に潜む官僚機構の闇」に切り替える決心をしたそうです。

 税金の無駄遣いも大きな問題ですが、そうした問題を個々に追っても、「その裏で利権を貪る官僚機構はビクともしないと気がついた」そうです。本書は、玉川さんがその「気づき」に至った軌跡が時系列に沿って書かれており、読者が玉川さんと同じ感覚を追体験できるように構成されています。

 玉川さんが突撃取材を続ける理由は、「人々は情報がなければ"不安"になり、デマやいい加減な噂にすがってしまうから」と話します。そしてそれは、「今回の東日本大震災における政府や東電の対応にも当てはまる」と。

 今回の震災後のマスコミの対応についても、「もちろん、テレビが正しかったわけではないし、テレビマンとして自戒が必要だとも思う」とした上で、「自分が隠された情報を暴き、発信していくから視聴者には"不安"ではなく"危機感"を持って欲しい」と言います。

 「危機感とは、"漠然とした不安"の対極にある"目的がはっきりとしたある種の怒り"のこと。そうした怒りを視聴者が抱くことで、官僚機構に代表されるような歪んだシステムを、初めて変えていくことができる」

 今後は、震災や原発にまつわる政府の対応についても追及していくとして、「この本でいただく印税のうち、私がいただく分はゆかりのある宮城県に全額寄付する」と表明した玉川さん。

 そして、次のようなメッセージで本書を結んでいます。

 「生き残りましょう。望むべくは国民全体で、少なくとも気づいた人だけでも」



『玉川徹のちょっと待った!総研』
 著者:玉川徹
 出版社:講談社
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