“家庭科”という教科を学ぶ理由

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 岩波書店から出版されている『正しいパンツのたたみ方』(南野忠晴/著、岩波書店/刊)。何か気になるタイトルだが、“パンツのたたみ方”のみに言及している本ではない。本書は「家族とは何か?」「社会の中で自立して生きていくには?」「ゆたかに生きるには?」ということを「家庭科」という科目を通して考えていく一冊だ。

 なぜ家庭科なのか? それは料理や裁縫、家族から暮らしまで生活全般について広く扱う科目であり、家庭科を通して自分の生き方に役立つ技術や考え方を身につけることができるからだ。

 家庭科の教員でもある著者の南野忠晴氏は、自分の暮らしを自分で整える力を生活力と呼んで、生徒たちに「生活力を身につけろ!」と伝えてきたという。本書ではその生活力を身につけるためのアドバイスを具体的にしてくれる。

 また、南野氏は、副教科と言われる保健体育・芸術・家庭科を、人生を豊かにする「主要三教科」と呼んでいる。保健体育で身体の感性を、芸術で心の感性を、そして家庭科で暮しの感性をみがく教科と定義しているからだ。
 料理や裁縫ができることも英語や国語、数学などと同じく、生活していくための大切な能力である。そんな生活力の大切さを気づかせてくれる。

 本書は中高生向けに書かれているが、子どもを持つ親が読んでも役に立つだろう。なんでもしてあげることが子どもへの愛情とは言えない。週に1度でも自分のお弁当は自分で作るように決めるなど、子どもの将来のためにやらせてみるのが、自立の第一歩となるはずだ。
(新刊JP編集部/田中規裕)




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