韓国政府は5日、東京電力が濃度の低い放射性物質を含む水1万1500トンを4日夜から放出した件について、懸念を示した。

 韓国メディアは、福島第一原発の放射能漏れの事態が、なかなか解決する兆しが見えない中で、関連情報を適切に開示していない日本政府とマスコミの行動が国際社会の非難を買っていると報じた。

 日本政府は4日、放射性物質の濃度が法定基準の100倍の汚染水1万1500トンを海に一方的に放出しながら、隣国韓国に通知さえしなかった。さらに5日にも、福島原発2号機の取水口付近の海で、基準の500万〜750万倍に至るまで、放射性ヨウ素が検出された事実を明らかにしなかったと指摘。

 日本政府の情報隠ぺいは今回だけでなく、気象庁は原発事故で発生した放射性物質の拡散の程度を予測し、国際原子力機関(IAEA)に報告しながら、一般にこれを公開していなかった。ドイツやノルウェーなど一部のヨーロッパ諸国の気象機関が、日本の気象庁の観測データに基づいて独自に予測し、放射性物質が拡散される様子を毎日の天気予報のサイトに明らかにすると一歩遅れて公開したと伝えている。

 また、日本のマスコミの報道姿勢も、驚くほど静かだと指摘するメディアも見られる。日本政府の一方的な汚染水の放出について、今後の環境と国民の食生活に及ぼす影響を説明するより、高濃度の汚染水を保管するために低濃度の汚染水放出は避けられなかったという、東京電力の言い訳をそのまま伝えたにすぎないと批判している。

 一方、韓国政府は、日本の福島原発で放射能に汚染された水を海上に放出する行為について、国際法上問題がないものとの結論を出した。外交通商部は「ロンドン条約は、放射性物質の排出を原則的に禁止しているが、放射能汚染の程度を示す基準がなく、非常時には排出することができるという例外条項がある」と説明した。

 これにより事実上、日本の汚染水の放出をそのまま見守るしかない状況になった。しかし、放射性物質の海上放出によって、直接被害を受ける国が韓国と中国など近隣諸国という点で、日本の度重なる説明の遅れに対する非難は、簡単に静まることは難しいとの見方を示している。 (編集担当:李信恵・山口幸治)



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