新田たつおが『週刊漫画サンデー』で連載中の漫画『静かなるドン』第98巻が、3月29日に発売された。下着デザイナーと広域暴力団・新鮮組の三代目総長という二つの顔を持つ近藤静也を主人公とする長編漫画である。関西ヤクザとマフィアの大抗争を傍目に主人公は下着デザインに精を出すという、この漫画でなければ考えられない展開になった。

 前巻までは鬼州組の白藤龍馬と世界皇帝の戦いが物語の主軸であった。しかし、世界皇帝のリチャード・ドレイク5世は鬼州組潰しを米国マフィアのアレキサンダーに委ねたため、この巻ではアレキサンダー率いる世界各国のマフィアと鬼州組の抗争が展開する。市街地で戦車が投入されるなど壮絶な抗争劇であるが、奇人変人揃いのヤクザやマフィアによるギャグも健在である。

 一方、両者の争いを静観する新鮮組は相対的に平和である。周囲を呆れさせる静也の下着デザインや新鮮組の不良幹部・生倉新八の陰謀などバカバカしい騒動に紙数が割かれている。世界皇帝との対決という本筋がお預けとなった反面、従前の『静かなるドン』らしい内容になっている。

 静也と秋野明美のロマンスも相変わらずである。秋野は下着デザイナーの静也と新鮮組総長の静也が同一人物であることを以前から気付いている。そして静也も秋野が同一人物であることに気付いていることを勘付いている。その上で秋野が気付いていることに勘付いていないふりをするという複雑な関係になっている。この巻では、静也が気付かないふりをしていることに秋野が気付くという複雑さが一段加わった。

 この巻は物語の流れからは小休止に見えるものの、並行する各キャラクターの伏線が本筋に向かって集約されていく。近藤は自らデザインした下着のマーケティングのために秋野と英国に出張する。その英国では、生倉が自己の野望のために留学させた息子の虎太郎と付き添いのバロン乳栗(乳栗一角)がドレイク5世に近付く準備を整える。どのような形で彼らが交わっていくのか、次巻に注目である。
(林田力)

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