昨年12月に発表された日本SF大賞を受賞した森見登美彦さんの『ペンギン・ハイウェイ』(角川書店)が、4月12日に発表される本屋大賞にノミネートされたことで再び注目を集めています。

 『四畳半神話大系』(太田出版)などに代表される森見さんの作品は、自身が京都大学出身ということもあり、ほとんどが森見さんにとって愛着のある京都を舞台に描かれていました。

 しかし本作では現実の世界を舞台にせず、架空の街を設定。ある日、突然出現した大量の"ペンギン"の謎を探る少年たちのひと夏の冒険を描く「ジュブナイル小説」として新境地を切り開きました。

 日本SF大賞の受賞式で森見さんは、「これまでの自分の書いてきた小説の中でも一番思い入れのある小説で、しかもこれまで書いてきた小説と傾向が違う新しいもの。自分にとっては大切な作品」と、同作への思い入れの強さを語っています。

 これまでの本屋大賞では、SF作品はほとんどノミネートされませんでした。しかし、本作はSFという言葉からイメージしがちな内容とは違い、どちらかと言えば「大人のためのおとぎ話」という側面が強い内容。印象としては、映画『バック・トゥー・ザ・フューチャー』や『スタンド・バイ・ミー』といった子供心を強く感じられる作品に近い。そのため、SFというジャンルに馴染みが薄い読者にとっても、広く支持されたと言えそうです。



『ペンギン・ハイウェイ』
 著者:森見 登美彦
 出版社:角川書店
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