あの国は国家破綻した!?

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 新たなビジネスチャンスを見出すため、またリスク管理をするためにも、経済についての知識は持っておくに越したことはありません。
 しかし、まずは国内経済から押さえておこうと勉強を始めても、世界経済全体の流れがわからないと日本国内の経済も理解できないのがグローバル化した現代。
 
 『経済ニュースの裏を読め!〜世界経済編〜』(三橋貴明/著、TAC出版/刊)はそんな世界経済が、特に経済の勉強をしてこなかった人にでもわかりやすく解説されています。「今後の中国経済の成長の見通し」や「ブラジルの経済成長の要因」など、タイムリーで広く知られているトピックが詳しく紹介されており、それを読むことによって基礎的なものから細かいものまで、ビジネスで役立つ経済の知識が身に付き、世界経済の全体像が見えてくるのです。

■「アイスランドが財政破綻」は間違い?
 例えば、本書に掲載されている事例の一つに「財政破綻したアイスランドは、その後どうなっているのか」というものがあります。この問題は一国の経済の危機として日本でも話題になりましたが、近頃はほとんど報道されなくなっています。
 一時期は自国通貨「クローナ」の価値が半減し、材料費の高騰もあってマクドナルドが撤退してしまうなど、普通では考えられない事態に陥ったアイスランドの現状はどうなっているのでしょうか。

 リーマンショックが引き金となって世界同時不況に突入したのが2008年。
 欧米や日本など経済的打撃を受けた国は数多くありますが、もっとも被害が大きかった国の一つがアイスランドです。
 一時期は「財政破綻」「国家破綻」などといった過激な言葉を伴って報じられたアイスランド危機ですが、実際「破綻」したのは民間の金融機関だったため「財政破綻」(政府の会計が破綻すること)という表現はいささか語弊があります。
 
 しかし、だからといってアイスランドの経済が危機であったことには変わりありません。
 アイスランドは破綻した金融機関を国有化したため、これらの金融機関が背負ってしまった対外負債は、結果的には政府の負債というべきものになってしまっています。

■金融機関が再生しないことには復興のめどがたたず
 ではアイスランド経済の現状はどうなっているのでしょうか。
 リーマンショック直後の2008年10月から2010年第2四半期まで、GDPの10倍近い対外負債を抱えている状態が変わっていません。また、GDP自体も破綻以降はマイナス成長。つまり、状況は一向によくなっておらず、IMFの融資などを使い、対外負債を繰り延べてしのいでいるのです。
 このあまりにも巨額な対外負債は、主力産業であった金融業が復活しないことには返済のしようがないという状態のようです。
このエピソードに出てくる経済用語は「財政破綻」「対外負債」「GDP」など。本書ではこれらの言葉についても解説されています。

 世界経済に触れることで、国内経済に対しても見えるものがあるはず。
 新たなビジネスチャンスを見つける機会は誰にでも平等にあります。いち早くそれを見つけるためにも、世界経済の知識を身に着け、大局を理解しておくことは役立つはずです。
(新刊JP編集部/山田洋介)


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