ミニシアター、シネコン、3D映画と「洋画」を巡るトレンドは次々に変化しており、人気作品には多くの観客が詰めかけています。しかし、洋画興行全体で見れば、極少数の人気作品に売り上げを頼っているのが現状で、公開作品のほとんどは赤字に近い興行成績で上映されています。

 書籍『映画館の入場料金は、なぜ1800円なのか?』の著者、斉藤守彦さんは、その原因の一端が「1800円という映画料金にある」と指摘します。斉藤さんによれば、1800円という料金設定では、本来、誰もが気軽に観に行ける"大衆娯楽"であったはずの映画が、事前に計画を立てて観に行く"高級娯楽"になってしまってるというのです。

 もちろん、斉藤さんは「何もかもを安くしろ」と言いたいのではありません。「すべての作品が一律1800円」という状況が問題だと語っています。

 どんな作品も入場料金が変わらなければ、「良い映画を上映しさえすれば、観客はつめかける」という考えに映画館側が囚われがちになると斉藤さん。そのため、「サービス産業であるにも関わらず、そのサービスに対して、真剣な取り組みをして来なかった」と、日本の映画業界を批判しています。

 しかし近年、長引く平成不況の影響もあり、映画産業もサービスに力を入れなければ生き残れない現状となっています。そのため、映画館だけに留まらない幅広いサービスを提供する動きも現れ始めているようです。

 そのひとつが、「金曜日は洋画へ行こう!−"金洋日"キャンペーン」。これは、シネコンの普及により金曜日深夜の興行が増えたこと、公開初日を金曜日とする洋画が増え始めていることなどを背景に、「金曜日は、洋画へ行こう!」という新しいライフスタイルを提唱するもので、映画メジャー5社で構成されるモーション・ピクチャー・アソシエーション(MPA)が2月より行っているキャンペーンです。

 USENが運営する全国のグルメ情報サイト「グルメGyaO」とコラボし、「金洋 洋画めし」という特設サイトをオープン。サイトに掲載されている全国の加盟飲食店に、金曜日(オールナイト含む)に観賞した洋画の半券を提示すると飲食代が割引になる等のサービスが受けられます。

 一部の人気作頼りでは限界が見えてきた今の映画界において、作品の魅力だけでなく、映画館ならではの魅力づくりで観客を呼びこもうとするこうした試みは、これから増えていきそうです。

【公式サイト】
「金洋日 〜金曜日は、洋画へ行こう!〜」  http://kinyobi.eiga.com/
「金洋 洋画めし」byグルメGyaO         http://ggyao.usen.com/contents/kinyobi/



『「サービス不在」のサービス産業だった映画界で、注目のキャンペーン始まる』
 著者:斉藤守彦
 出版社:ダイヤモンド社
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