“災害時でもまとまらない”パチンコ業界の未来は?―『パチンコがなくなる日』POKKA吉田さんインタビュー(後編)

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 パチンコ業界の本当の姿を暴露していることで話題となっている『パチンコがなくなる日―警察、民族、犯罪、業界が抱える闇と未来』(主婦の友社/刊)。
 著者であるPOKKA吉田氏は、ジャーナリストとしてパチンコ業界に長く携わってきた経験を元に、本書で様々な業界の問題をあぶり出しているが、ではパチンコ業界の今後と未来は果たしてどうなっていくのだろうか。
 インタビュー後編となる今回も、前編と同じくPodcast番組「新刊ラジオ」のブックナビゲーターとして活躍している矢島雅弘氏を聞き手とし、POKKA吉田氏のお話をうかがっていく。
(新刊JP編集部)

■パチンコ業界の災害発生時の対応はどのようなものだったのか?

矢島雅弘(以下、矢島) 先ほどPOKKA吉田さんは、アンチパチンコの人には正しくパチンコ業界を叩いて欲しいとおっしゃられていました。その中で、パチンコ店を批判している人たちの切り口に「パチンコ業界が1つの業界団体で一枚岩になっている」というものがあります。

POKKA吉田(以下、ポッカ) それはね、ありえない!

矢島 ありないですよね。僕はかなり業界内でもバラバラだと思っているのですが、詳しくご説明頂けますでしょうか。

ポッカ ありえないです。一枚岩になるときというのは社会的に、誰もが見て納得するようなときだけですよ。例えば、今回の東北地方の大きな地震や津波でものすごく被害が出ています。こういうときは、パチンコ業界内でもいろいろな呼びかけがなされています。営業の自主規制だとか、ネオンをつけないようにするとか、営業時間を短くしろとか。でも、そのレベルではまとまっていません。ただ、唯一まとまっていると思うのは義援金ですよね。おそらくかなりの金額がこの1ヶ月くらいで被災地に贈られることになると思うのですが、業界団体だけで20億円は見込めますし、企業個別の義援金も、30億や40億くらいになるかも知れない。そういう意味では、義援金については一枚岩になっていますね。

矢島 でも、平常時はそこまでまとまっていない。

ポッカ そうですね。例えば警察から「最近の機械はギャンブル性が高い、抑えなさい」と言われても、全くまとまりません。これは『パチンコがなくなる日』を読めば、分かると思います。

矢島 パチンコ業界には、パチンコ店があって、統括する団体があって、遊具を作るメーカーがあって、といろいろな企業がありますが、見ていると「あれ?」と思ってしまうんですよね。

ポッカ 例えば個人生活に当てはめると、業界団体は自治会みたいなもので、自治会が「夜9時以降家の電気を消せ!」と言ったとしても、守らない家庭はたくさんあると思います。それは強い経済的な関係がないからですよね。業界団体も同じで、お金はたくさんあるんだけど、そこでビジネスをするわけではありません。それに、自分の会社にとってマイナスになるようなことは出来る限りしたくないというが本音ですから、よほど警察に言われたとか、そういうことがなければ基本的にまとまることはないですね。

矢島 今のお話を聞いて、業界構造自体が他の業界と似ていると思ったのですが、もしかしたら他の業界よりも未熟なところがあるのかも知れませんね。

ポッカ あると思いますよ。義援金の拠出額だったら他の業界よりも上にいくと思うけど、モラル的な部分では未熟でしょうね。

矢島 でも、ポッカさんの意見としては、警察が上手く業界を抑えていて、ギャンブル性が行き過ぎないようになっているとおっしゃられています。そういう意味では、パチンコ業界は明るい方向に進んでいるということなのでしょうか。

ポッカ 明るいとはいいません。むしろこの3年間は不況がひどく、市場も縮小傾向です。ただ、この十数年の警察庁の担当官僚たちが、ギャンブル性を抑える方向で業界を指導し続けているので、業界そのものは、まともな方向に行っていると思います。

■最高のシナリオは「換金をなくす」

矢島 では、パチンコ業界についてポッカさんが考える最高のシナリオと最悪のシナリオを教えて欲しいと思います。

ポッカ 最高のシナリオは、これ言うとパチンコ業界関係者に「お前、アホか」と言われるんですが、換金がなくなってしまうことです。

矢島 換金がなくなる。

ポッカ パチンコがギャンブルではなくなるんです。但し、景品の上限金額というのもなくなります。今、パチンコでは1万円以上の景品を出してはいけないことになっています。だから、10万円勝っても、何分割もして10万分の景品になるわけですね。僕の理想は、この上限をなくして換金をなくす。今、「貯玉」というのがあるので、1年かけて、大型テレビとか、10年かけて自動車とか、20年かけて家とか。断然夢があると思うんだけどなあ(笑)。そういう風にすれば自分の余裕にあるお金以外誰もパチンコに使わないし。

矢島 パチンコで家が建ったというのは夢がありますね(笑)

ポッカ そうしたら賭博じゃなくなりますから。極端な話、懸賞みたいなものでしょう。これはパチンコ業界にとったら「win」だと思います。社会にとっても健全だし。もし、家とか自動車とかに届かなくても、日常品でいいじゃない。米とか。そうなると、楽しい娯楽になると思いますよ。

矢島 では、最悪のシナリオはどうでしょうか?

ポッカ それは、いろいろな問題から、パチンコそのものがなくなってしまうことです。それが最悪のシナリオですね。

矢島 いずれにせよ換金がなくなるというのが、ポッカさんの考えるシナリオですか?

ポッカ 僕としては換金をなくして景品額を青天井というのが最高だけど、パチンコ業界が考える最善というのは、業界が抱える多くの問題、この本でも指摘した多くの問題を軒並みクリアしていって、換金が合法化するというシナリオですね。

矢島 では、今回の本に関して、どのような人に読んで欲しいか、リスナーさんへのメッセージという形でお願いできますでしょうか。

ポッカ とにかくパチンコの好き嫌いではなくて、パチンコとは何かということについて関心がある人は読んでいただきたいです。パチンコ業界は悪く言われがちですし、確かに悪いところはたくさんあります。でも、実際に皆さんが思っている悪い部分と、本当に悪い部分はかなりギャップがあります。だから、この本を読んで正しくパチンコの悪いところを知ってから、「それでも俺はパチンコが好きだ」と言って打つも良いし、「パチンコ業界が嫌いだ」といって批判するも良いですし、それは読者の皆様にお任せします。

矢島 というわけで、著者のPOKKA吉田さんでした。ありがとうございました。

(了)

■「新刊ラジオ」ではポッカ吉田さんと矢島雅弘の対談を音声で配信中!
☆他のトピック「一般の人たちのパチンコ業界への大きな誤解とは?」「知られざる業界体質」などをPOKKA吉田氏が解説! 【こちらから】
*音声の内容は本インタビューと一部内容が異なります。

■『パチンコがなくなる日―警察、民族、犯罪、業界が抱える闇と未来』
著者:POKKA吉田 定価:820円(税込み) 出版社:主婦の友社


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