儲かる会社・売れる商品の共通点

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 モノが売れなくなっています。
 いい商品を作っても、広告にお金をかけても売れないこの時代、効果的なマーケティング方法に悩む経営者やマーケティング担当者は多いはずです。
 『なぜ桃太郎はキビ団子ひとつで仲間を増やせるのか?〜儲かる会社は知っている!』(TAC出版/刊)の著者、岩崎聖侍さんは、「消費者は物語を買いたがっている」として、消費者の行動がかつてとは変わったことを指摘しています。高度成長期やバブル期まで主流だった、欲しかった商品を買うことで豊かさを実感する、というパターンではなくなってしまったのです。
 消費者の行動パターンが変わったことは何となく実感できるところ。しかし、「物語を買う」とは一体どのようなことなのでしょうか?

■寄付つき商品で売り上げ大幅増?
 ミネラルウォーターでおなじみのボルヴィックの「1L for 10Lプログラム」をご存じでしょうか。私たちが1リットルの水を買うと、アフリカに清潔で安全な水が10リットル供給されるこのプロジェクト。テレビCMで見たことのある方も多いと思います。
 このプロジェクトの肝は消費者が商品を買うことで、アフリカに飲料水を確保するための井戸をつくる資金を寄付できるという点。つまり、消費者はアフリカに井戸をつくり、安全な水を供給するというストーリーに参加できるのです。これが「物語を買う」ことの最たる例で、「寄付」という方法は消費者がもっともわかりやすい物語への参加方法なのです。
 このプロジェクトの効果もあり、ボルヴィックの2007年7・8月の売り上げは前年比31%増となりました。

■現代のマーケティングに絶大な効果を発揮する「桃太郎戦略」とは
 前述のように、現代の商品マーケティングや企業ブランディングでは、消費者が共感・参加しやすい物語を用意することが重要になります。岩崎さんはこの方法を、鬼退治のためにサル、イヌ、キジと仲間を増やしていくというストーリーになぞらえて「桃太郎戦略」と名付けています。
 では、「桃太郎戦略」で効果を発揮するストーリー作りのポイントはどのようなところにあるのでしょうか。

・コンセプトは一つ
 自社や自社製品を知ってもらいたいあまり、多くを語りすぎるのはかえってマイナスです。消費者に伝わるのはシンプルなワンコンセプトだけだということを覚えておきましょう。

・「葛藤」こそが応援されるポイント
 コンセプトを決め、目標に向かって突き進むというだけのストーリーでは消費者の心は掴めません。消費者に応援されるには目標達成を困難にする「障壁」や「葛藤」が不可欠。それらを乗り越えようと努力する姿に消費者は心を打たれるのです。

・ストーリーは過去のものだけでなく、未来のものも作る
 過去の障壁を乗り越えて、今の位置までたどり着いた、といったストーリーは確かに消費者の共感を得やすいですが、それはあくまでも「過去の」ストーリーです。ビジネスのストーリーは過去と同時に未来のストーリーも作らなければなりません。商品・会社の10年後・20年後の姿を提示することで、未来への希望を持たせることも重要です。

 『なぜ桃太郎はキビ団子ひとつで仲間を増やせるのか?〜儲かる会社は知っている!』には現代のマーケティング・ブランディングの基礎となる考え方や方法が実例を交え、かつ体系的に紹介されています。いい商品を作っているのになかなか売れない、と悩んでいる人は一度目を通してみてはいかがでしょうか。
(新刊JP編集部/山田洋介)


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