「パチンコはどうして合法なのか?」―『パチンコがなくなる日』POKKA吉田さんインタビュー(前編)

写真拡大

 今年2月はじめに刊行されて以来、大きな話題を読んでいる本がある。主婦の友社から出版された『パチンコがなくなる日―警察、民族、犯罪、業界が抱える闇と未来』だ。
 パチンコ業界の現状を暴き、警鐘を鳴らす本書を執筆したPOKKA吉田氏はパチンコ業界に長く携わっているジャーナリストだ。本書ではパチンコを愛し、業界の隅までを知り尽くしているPOKKA吉田氏ならでは鋭い指摘がなされており、アンチとファン双方から支持を受けている。
 では、POKKA吉田氏はどうしてパチンコ業界の裏を暴露する本書を執筆したのだろうか。今回はPodcast番組「新刊ラジオ」のブックナビゲーターとして活躍している矢島雅弘氏との対談形式でPOKKA吉田氏にお話をうかがっていく。
(新刊JP編集部)

■どうして警察庁がパチンコを管轄しているのか?

矢島雅弘(以下、矢島) 今回は『パチンコがなくなる日』の著者であるPOKKA吉田さんをお迎えしています。

POKKA吉田(以下、ポッカ) よろしくお願いします。

矢島 今日はPOKKA吉田さんから「吉田さん」ではなく「ポッカさん」と呼んで欲しいという話を事前にいただきましたので、「ポッカさん」と呼ばせていただきます。では、ポッカさんのプロフィールを教えていただけますか?

ポッカ 1971年生まれで、パチンコ業界紙に5年ほど勤めていまして、その後メーカー関連会社を経て、7年くらいフリーで活動しています。主にパチンコ店やメーカー、設備業界の読者を対象にした記事を書いています。

矢島 ありがとうございます。では、本の話に入りますが、僕が最初この『パチンコがなくなる日』を手に取ったときに、アンチパチンコの本だと思ったんですよ。でも、開いてみるとアンチもファンも両方楽しめると書かれていたのですが、どのような経緯で本書を書かれたのですか?

ポッカ アンチかファンかといえば、僕自身は明らかにファンですね。パチンコがなくなってしまったら僕は食えなくなくので(笑)。ただ、この本を通してアンチの人にも正しいパチンコ業界を知って欲しいという思いがあります。この業界自体がものすごく悪いイメージで見られているところがあるのですが、どうせ叩くんだったら、正しく叩いて欲しいんですよ。僕自身、パチンコ業界の悪いところをいっぱい知っているつもりですし、そういう悪い部分は批判されるべきだと思います。でも、全く業界のことを知らないで批判している人も多いですから、そういう意味で、この業界が抱えている本当の問題を伝えるために書いた本ですね。

矢島 では、まずはパチンコ業界とはそもそもどのような業界なのかということについて、お話を聞いていきたいのですが、まずはパチンコの管轄が現在は警察庁ですよね。ただ、昔は暴力団が持っていた。パチンコ屋というと、暴力団がバックについていると思っていらっしゃる方もまだ多いと思いますが、なぜ暴力団から警察に変わったか、その経緯を教えていただけますか?

ポッカ これは、単純に警察の頂上作戦ですね。社会から暴力団を排除しようという動きが1950年代の終わりから1960年代の頭くらいに極めて顕著になっていったのですが、それに乗ったという話だと思います。

矢島 僕がそこで思ったのは、警察がパチンコ店を管轄する必要があったのかということですが…。

ポッカ これは風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)の管轄が警察だからです。パチンコ店も風俗営業に規定されているので、警察の所管になるんですよ。風俗店というのは例えばゲームセンターも当てはまりますし、パチンコと同じ2条1項7号には雀荘も当てはまるとしています。あとは飲み屋もそうですし、もちろん性風俗などもそうなのですが、これらに共通しているのは、みんなそればかりしだすと、社会がおかしくなるというものですよね。1年365日ずっと歌舞伎町で飲んでいたら、人としてちょっとどうだろうと思いませんか? 僕はパチンコも同じだと思います。そういう意味では警察が所管すべき業界だったのかも知れませんね。

■「三店方式」は本当に合法か?

矢島 次にお聞きしたいのは、パチンコをやっている人にとっては基礎的なことだと思うのですが、パチンコ業界を知らない方のために「換金」についてお話を聞きたいと思います。パチンコ店はすぐ近くに景品交換所であったり、換金するお店…東京都内であれば「TUCショップ」というものがあったりします。これが三店方式というものなのですが、これはどのようなものなのでしょうか。

ポッカ 「3つのお店の方式」と書きますね。この3つの店とは何かといいますと、まずはパチンコ店。次に換金所。

矢島 パチンコの景品を持っていくとお金に換えてくれる場所ですね。

ポッカ 東京の場合は、「TUCショップ」が受け持っています。そして、もう1つは換金用の景品を卸す問屋さんです。この3つの店で「三店」ですね。風営法で、直接的な換金の行為を禁止しているから、3つのお店を用意して、そこで換金が成立するというやり方をすると、法律に触れないんじゃないか、と。脱法的であるという見方が根強いですが、これが三店方式の理由です。

矢島 これは本の中に図がありまして、それを見ると一発で分かると思います。2店だとお客様とパチンコ店と景品が同時に触れる箇所があるんですよ。

ポッカ そういうことですね。2店だと、どうしても換金する場所とパチンコ店が直接やりとりするところが出てきます。三店方式だったら買い取り所とパチンコ店は取引しないですから。

矢島 つまり、パチンコ店は「買い取り所なんか知りませんよ」と白を切ることが出来るわけですね。

ポッカ そうです。でもこれを合法だっていうならね、ゲームセンターだって換金できるようになっちゃいますよね。

矢島 それはみんな、思っているはずですよ。

ポッカ これは本には書いていないけど、(警察は)三店方式を事実上黙認しているんですよ。良いと言っていないし、悪いとも言っていない。そんな扱いをしているのはパチンコ業界だけですね。

矢島 そういうところから業界的に問題があるのでは、と。

ポッカ 問題があるというか、パチンコ業界は問題があるとは思っていないですよね。そもそも悪いと言われていないんだから。

後編へ続く

■「新刊ラジオ」ではPOKKA吉田さんと矢島雅弘の対談を音声で配信中!
☆他のトピック「POKKA吉田のペンネームの由来とは?」「娯産研の動きは?」などをPOKKA吉田氏が解説! 【こちらから】
*音声の内容は本インタビューと一部内容が異なります。

【関連記事】  元記事はこちら
これから衰退していくであろう企業に見られる兆候
イマドキの女性はどんなセックスをしているのか?
本作りは出版業界だけのものではなくなる?
実は勝ち組だった「のび太」

【新刊JP注目コンテンツ】
すぐ使える仕事英語――英語公用語化、外資系のリアル(新刊ラジオ 第1369回)
もし会社の公用語が英語になったら!?『すぐ使える仕事英語』特集