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モータースポーツの最高峰、F1世界選手権が3月25日〜27日にオーストラリアで開幕しました。

いきなり第1戦に予定されていたバーレーンGPが国内情勢の不安を理由に開催取り消しとなるなど波乱のスタートを切った2011年シーズンは、2009年から2010年の変更と同様、また大幅なレギュレーション変更が加わりました。今回はオーバーテイク(追い抜き)促進を目的とした変更点もあり、決勝レースでは実際にその効果が見られる場面がありました。

オーストラリアGPの結果と、今期を戦うドライバー一覧は以下から。
2011 FORMULA 1 QANTAS AUSTRALIAN GRAND PRIX - The Official F1 Website

2011 FORMULA 1 QANTAS AUSTRALIAN GRAND PRIX Results - The Official F1 Website

グランプリには全24台が参加。今年から予選に107%ルールが復活、予選第1ラウンドでトップだった車のタイムから107%以内を記録できなかった場合は決勝に出場できなくなり、さっそくヒスパニアレーシングの2台がこれに抵触して決勝で走ることができなくなりました。

その結果、決勝レースは22台で争われました。レースはポールポジションでスタートしたセバスチャン・ヴェッテル(レッドブル)がほぼ先頭を譲らないままポールトゥウインで逃げ切り。2位には、こちらも2番手スタートからポジションを変えることのなかったルイス・ハミルトン(マクラーレン)が入りました。3位には6番手スタートのペトロフ(ルノー)が入りました。

3番手スタートのマーク・ウェバー(レッドブル)は5位、フェラーリのフェルナンド・アロンソとフェリペ・マッサはそれぞれ4位と7位、今期も唯一の日本人ドライバーとして参戦している小林可夢偉(ザウバー)は8位でゴールしましたが、車体に規定違反が見つかって失格となっています。

今期の大幅な変更点
2011年のレギュレーションではいくつかの大きな変更が行われています。

まずは、2010年に使用されていなかったKERSの復活。これは規則上は2010年も使用可能でしたが、参戦チームによって組織されているFOTAが使用しないことにしていたため採用するチームはありませんでした。KERSは最大で7秒弱の間、マシンを約80馬力パワーアップさせることが可能で、スタートダッシュやオーバーテイクで使用されます。

また、2010年に登場したFダクトが禁止となり、DRS(可変リアウィング)が導入されました。Fダクトは機能すると最高速度を10km/hほど増やす効果が得られますが、その操作はスイッチによるものではなく、コックピット内の穴をドライバーが膝や手の一部で覆うことで作動させており、これが危険に片手運転になっているということから禁止となりました。一方、DRSは効果はほぼ同様(速度が10km/hほどプラスされる)ですが、使用に条件があり、最終コーナーより前にある計測点で前車との差が1秒以内だった場合に限りストレートで使用が許可されるというもの。

前述の予選における107%ルールも2002年シーズン以来の復活。今年は戦闘力の低いマシンは決勝進出をしっかり目指さないと予選第1ラウンドが最後の走行というレースも少なくなさそうです。ちなみに、オーストラリアGPの場合、ヴェッテルのタイムは1:25.296だったので、107%ラインは1:31.265。それに対して決勝進出できなかった2台のタイムは1:32.978と1:34.293だったので、あと1秒7は詰めなければいけません。

タイヤはブリジストンが供給から撤退したため、20年ぶりにピレリがF1に復帰しています。

2011年のF1世界選手権を戦うドライバーたち
レッドブル
大混戦となった2010年チャンピオンシップを制したセバスチャン・ヴェッテルと、健闘を見せたマーク・ウェバーという昨年と同じ顔ぶれのレッドブル。少しヴェッテルとウェバーとの間に微妙な空気が流れたりもしていましたが、今年はどうなるのでしょうか。

マクラーレン
2008年ワールドチャンピオンのルイス・ハミルトンと2009年ワールドチャンピオンのジェンソン・バトンという2人のチャンピオンが今年もマクラーレンのマシンを駆ります。

フェラーリ
こちらは2005〜2006年ワールドチャンピオンのフェルナンド・アロンソと、2008年にわずか1ポイント差でチャンピオンを逃したフェリペ・マッサ。ここも2010年と同じコンビ。

メルセデス
「皇帝」ミハエル・シューマッハニコ・ロズベルグのコンビ。これまでに7度チャンピオンを獲得しているシューマッハですが、昨年はポイントでロズベルグに2倍近い差をつけられ、1991年のF1初参戦以来初めてチームメイトに年間成績で及ばない結果となりました。

ルノー
昨年と同じくロバート・クビサヴィタリー・ペトロフのコンビが予定されていましたが、開幕直前にラリーに参戦していたクビサが負傷したため、急遽ニック・ハイドフェルドが起用されました。

ウィリアムズ
F1参戦300戦以上の“鉄人”ルーベンス・バリチェロと、今年デビューのパストール・マルドナドという絵に描いたようなベテラン&ルーキーのコンビ。オーストラリアGPでは2台ともトランスミッション系のトラブルでリタイアとなっています。

フォース・インディア
昨年はエイドリアン・スーティルヴィタントニオ・リウッツィを起用したフォース・インディア、当初は今年も同じ顔ぶれかと思われていましたが、テストドライバーだったポール・ディ・レスタのドライバー起用が決定し、今年はスーティル&ディ・レスタのコンビ。

ザウバー
現在レギュラー参戦している唯一の日本人ドライバー小林可夢偉とコンビを組むのは、メキシコ出身のセルジオ・ペレス。2010年のGP2では今年からウィリアムズで参戦するマルドナドと戦いを繰り広げ、同時にF1デビューを果たすことになりました。ちなみに、今年からザウバーのスポンサーになった通信企業テルメックスは長者番付でビル・ゲイツを追い抜いたメキシコの富豪カルロス・スリム・ヘル氏の保有する会社です。

トロ・ロッソ
2010年に引き続きセバスチャン・ブエミハイメ・アルグエルスアリを起用。2007年〜2008年には現在レッドブルのヴェッテルが在籍し、2008年イタリアGPでは優勝したこともありますが、マシンの戦闘力不足に苦しみ、ポイント獲得争いをするのがやっとというレースが多め。

ロータス
2010年から参戦した「ロータスF1レーシング」は名前こそ使用承諾を得ていたものの、中身はかつてF1に参戦していた「チーム・ロータス」とは直接関係のないチームでした。しかし、今年はチーム構成などはそのままですが、伝統ある「チーム・ロータス」を継承して参戦となります。ただし、チーム名に関してはルノーも「ロータス・ルノーGP」を名乗っており(こちらはロータスの商標権を持つグループ・ロータスがルノーF1の株を一部買収したもの)、今後、サーキット外での争いが見られそうです。

ドライバーは昨年と同じくヘイキ・コバライネンヤルノ・トゥルーリのコンビ。2010年は3チームが新たに参戦しており、その中では良い成績を残しましたが、ポイント獲得には至っていません。

ヒスパニア
昨年は4人のドライバーを起用したヒスパニアレーシングの今年のドライバーはナレイン・カーティケヤンヴィタントニオ・リウッツィ。ロータス、ヴァージンという2010年からの参戦チームが当面のライバルとなりそうです。

ヴァージン
2010年はチーム順位でロータスと賭けを行い敗北したヴァージングループ会長が罰ゲームとして1日客室乗務員になってしまったヴァージンレーシング。今年はティモ・グロックジェローム・ダンブロシオがドライバーを務めます。また、序盤3戦のリザーブドライバーとして山本左近との契約を結んでいます。今年も賭けをしているのかどうかはわかりませんが、リチャード・ブランソン会長を喜ばせるような結果を出したいところです。

レースカレンダー
今年のカレンダーは以下の通りで、現地時間3月27日17時から決勝が行われたオーストラリアGPを皮切りに全19戦が予定されています。また、中止になったバーレーンGPを日程変更して組み込むことも示唆されています。下記日付は現地時間表記で、カッコ内が日本標準時表記。

3/27 17:00(3/27 15:00) オーストラリアGP
4/10 16:00(4/10 17:00) マレーシアGP
4/17 15:00(4/17 16:00) 中国GP
5/8 15:00(5/8 16:00) トルコGP
5/22 15:00(5/22 21:00) スペインGP
5/29 14:00(5/29 21:00) モナコGP
6/12 13:00(6/12 26:00) カナダGP
6/26 14:00(6/26 21:00) ヨーロッパGP
7/10 13:00(7/10 21:00) イギリスGP
7/24 14:00(7/24 21:00) ドイツGP
7/31 14:00(7/31 21:00) ハンガリーGP
8/28 14:00(8/28 21:00) ベルギーGP
9/11 14:00(9/11 21:00) イタリアGP
9/25 20:00(9/25 21:00) シンガポールGP
10/9 15:00 日本GP
10/16 15:00 韓国GP
10/30 未定 インドGP
11/13 17:00(11/13 22:00) アブダビGP
11/27 14:00(11/27 23:00) ブラジルGP

初戦で勝ったヴェッテルがこの勢いでチャンピオンシップを逃げ切るのか、それとも昨年もラストのギリギリまで粘ったフェルナンド・アロンソが4度目のチャンピオンに輝くのか、あるいはルイス・ハミルトンやマーク・ウェバーが伸びるのか。今年もこれから8ヶ月間の長い戦いが始まりました。

2011/03/28 16:21
一部内容を修正。2007年のチャンピオンはキミ・ライコネン。また、ヴェッテルがピットインしてからハミルトンがピットインするまでの14周目〜16周目ではハミルトンが首位を走行。

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