なんだか不思議と癒やされる!?「きょうの猫村さん」

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突然だが、「土曜ワイド劇場」という2時間ドラマの枠をご存じだろうか。これは、テレビ朝日系列にて1977年から放送されている番組で、土曜日の21時から、毎週異なる内容の2時間ドラマが放映される。そのうちの多くは推理小説を原作にしたサスペンスものであるのだが、その昔、「家政婦は見た」という異色のシリーズものが存在したのはあまりにも有名だ。

若い方のために説明しておくと、「家政婦は見た」とは女優・市原悦子さん演じる好奇心旺盛な家政婦「石崎秋子」が、一癖も二癖もある名門一家に派遣され、その家族に潜む謎を次々と知り、暴いていくというもの。ドロッドロの人間関係を安定した盗み見・盗み聞きスキルで白日の下に晒していく秋子の手腕は見事としか言いようがなく、ワイドショー好きの主婦層を中心に絶大なる人気を博していたシリーズであった。惜しいことに25年間で26作と1クール11回の連続ドラマの放送をもってシリーズは終了してしまったが、いまだにあの強烈な内容を覚えているファンも少なくはないだろう。そんな「家政婦は見た」を上手にゆるく消化した(?)ものが、マンガ「きょうの猫村さん」なのである。

紹介が遅れてしまったが、「きょうの猫村さん」は ほしよりこ さんがマガジンハウスのメールマガジン上にて連載中のオンラインマンガ(2011年3月より一時休載中)。家政婦紹介所の「村田家政婦」より「犬神家」に派遣された猫の家政婦「猫村ねこ」が、一家の秘密を知ってしまったあげく、家族間のいざこざに首を突っ込んでいく…という一見「家政婦は見た」そのままのような設定だ。しかしそこは猫の家政婦、猫特有のマイペースさとゆるい空気で、少しずつ家族の問題を解決しているように見えるから面白い。登場人物と猫村さんの心の交流も深まりはじめて、殺伐とした気分で読んだとしても、読後はしみじみ落ち着いた気分になっていること間違い無しである。

「家政婦は見た」よろしく、ベタベタでドロドロな設定ながらも、気がつけば癒やされている「きょうの猫村さん」。ちょっと疲れ気味の時に、かるーく読んでいただければありがたい。

(中山 記男) http://airoplane.net/