東京電力の福島第1原子力発電所での放射線漏えい事故において、被ばくをかえりみず作業員たちが決死の作業を行っている。ロボット工学で最先端を走る日本では、バイオリンを弾くロボットやマラソンができるロボット、結婚式の司会ができるロボットなど、さまざまな用途のロボットが存在することについて、中国新聞社は22日付で、「福島原発での作業にロボットが使用されないのはなぜだろう」と論じる記事を掲載した。

 日本ではロボットによるオートメーションが一般化され、震災時にがれきの中から被災者を探し出すロボットも存在するが、福島原発の修復作業にロボットは導入されていない。冷却炉や使用済み核燃料にかかわる命がけの作業はみな人力で行われ、被ばく線量が限界を達するまで作業が続けられている。

 スリーマイル島とチェルノブイリの原発事故以来、原子力産業へのロボット導入が徐々に増えてきている。福島原発でも放射能レベルの高い場所ではロボットによる作業が採用されているが、記事は、「日本にはトップレベルのロボット技術があるが、1970年代に建設された福島原発ではまだ複雑な作業には導入されていないようだ」と報じた。

 現在、多くの原発では制御や簡単な修理などにロボットが導入されているが、予算の限界や関係部門の承認が得られないことなどから、ロボットを採用できない国や原発も多い。韓国原子力研究院の金聖浩氏は、「緊急事態に人力では困難な作業を遂行するロボットが必要だ」と指摘し、「原発作業員は危険な状況下での作業を望まないはずだ」と高性能のロボットの開発の必要を強く主張した。(編集担当:畠山栄)



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