未曾有の大災害が東北・関東地方を襲った。着の身着のままで避難せざるを得ず、住居や家財、現金を失い、お金の問題で様々な不安を抱かれている被災者の方も多いと思われる。そうした方々や支援者の方々が今すぐに役立てられるマネーの知識を、独立系ファイナンシャルプランナー集団「生活設計塾クルー」のメンバーが全6回のリレー形式でお伝えする。

 このたびの東日本大震災で被災された方々、そのご家族、ご関係者のみなさまへ心よりお見舞い申し上げます。

 第5回は、住宅ローン返済中の人の対応策と、被災した住宅の再建に必要なお金の調達法について紹介する。

 まず、被災者で現在住宅ローンを抱えている人は、
「当面、住宅ローンの心配をせずに、他にすべきことを優先していい」
と覚えておこう。

 ローン返済が滞ったとしても、被災者の場合は、後で手続きすることで「延滞扱いにならない」からである。

 住宅ローンの場合、個別の金融機関が対応策を決めるのだが、今回複数の銀行に取材をしたところ、阪神淡路大震災のときは被災者に関して延滞扱いにしないことで足並みを揃えていたことがわかった。執筆時点で銀行から正式発表されていないが、阪神淡路大震災の事例が今回の震災にも踏襲されると考えていいだろう。

 ちなみに今回、旧公庫ローンやフラット35を取り扱う住宅金融支援機構と、いくつかの銀行に対応策を問い合わせたところ、いずれも「被災者の方は、住宅ローン返済より身の安全の確保や生活再建を優先していただきたい」というコメントをもらっている。

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