アメリカ海軍に学ぶ リーダーに必要な3つの素質

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 本書は、30年以上も前に書かれたリーダーシップに関する本です。
 参考となったものは「アメリカ海軍の士官候補生用のテキスト」。これを、リーダーシップ論として日本人がまとめたのが、この『リーダーシップ 新装版―アメリカ海軍士官候補生読本』(アメリカ海軍協会/著、武田文男・野中郁次郎/翻訳、生産性出版/刊)です。

 何十年間にも渡って読み継がれる本には、他の本にはない魅力や説得力があります。
 たとえば本書では、リーダーシップの基礎として「科学的方法」を重視しています。この「科学的方法」を活かせば、「駆逐艦の艦長から末端の新兵に至るまで利用・応用する事で、誰もが優れた問題解決者になれる」と説明しています。
 アメリカ海軍の科学的なアプローチから、リーダーに必要な素質は以下の3つと分析されています。

1、健全な懐疑主義
2、客観性

 「健全な懐疑主義」「客観性」を持ち、先代が作った当たり前のことのようになっている「既成の解答や選択肢」を諾々と受け入れてしまわず、正確な観察と事実を直視することができます。

3、変化への即対応という特性
 「変化への即応性」は、科学者が新たな証拠が発見された際、それに基づいた行動をする性質を参考にした考え方で、「リーダーには状況に応じた柔軟性や適応力が必要」ということです。
 「戦争手段、軍事問題。社会的雰囲気や部下の士気、心理状態は常に変化するものであり、リーダーがその変化に対して型にはまった態度や思考しかできなければ、集団として成果をだすのも難しくなる」のです。

 得てして抽象的な言葉が使われがちな「人間」についての教えですが、回りくどくても具体的に説明している点は説得力と「実践」に繋がるのかもしれません。

 その他にも、「部下・上司との付き合い方」「謙虚さ」「決断力」「公平性」「ユーモアのセンス」のようなリーダーが身に付けるべき「人間性」にも触れています。
 また、「行儀作法」として、車の乗り降りや食堂での立ち振る舞い、リーダーに求められる「紳士道」など、巷のビジネスノウハウ本には書かれてないことにも触れています。

 さらに、リーダーのみにリーダーシップを求めるのではなく、部下や協力者(フォロワー)側のあり方も問われます。
 例えば「自分の仕事が自分たちの仕事の達成にどれぐらい影響するのか理解している」「リーダーにインスピレーションを与える能力を持っている」「リーダーの決定に従い、その決定の実現のために全力を尽くす」「リーダーの部下に配慮する能力の限界を知り、リーダーの負担になるような過剰な期待をかけない」といったことをフォロワーの責任としてあげています。

 昨今の未曾有の危機にしっかりとしたリーダーシップを取れるリーダーになるために、本書で語られている「リーダーシップの実践的意味」は役に立つはずです。
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