2007年より『モーニング』(講談社)で連載中のサッカーマンガ『ジャイアント・キリング』は、監督同士の駆け引き、クラブスタッフやサポーターの描写といった、試合の勝敗だけに留まらないサッカーを取り巻く環境全体をリアルに描いて、サッカーファンから大きな支持を得ています。

 弱いチームが強いチームを倒した時に使われる言葉「ジャイアント・キリング」。そして、このジャイアント・キリングを最も得意とするのが、同作品の主人公である監督の達海猛です。

 達海のモチベーションコントロールには、1つの特長があります。"未来を想像させる"という手法です。達海が監督になり、最初に行った紅白戦では、30メートルダッシュのタイムだけで、先発候補と控え候補にチームを分けました。すると、これまで主力として戦っていたメンバーの多くが控えにまわり、先発候補は若手中心のメンバーとなりました。

 当然、既存のレギュラーたちからは不平不満が噴出。達海はそれを抑え込むため、1つの提案をしました。それは若手中心の先発候補を自ら率い、「コッチに勝ったら考え直す」という紅白戦。その様子を見ていた若手選手たちは、「向こうはほとんどがレギュラーだし......」と怖じ気づいてしまいました。しかし、そこで達海はこう言い放ったのです。

 「想像してみろよ。ここでレギュラー組を倒す。レギュラーの座をつかむ。リーグ戦で勝ち進む。その時、お前たちの立場は変わる」

 こうしたモチベーションコントロール術は、控え組にとってだけでなく、先発メンバーにとっても自分たちの意識を改革するきっかけとなりました。そして、シーズンで全戦全勝とまではいかないものの、選手たちは確かな進歩を感じ、自らの可能性を信じるようになっていったのです。
 
 この達海の手法は、サッカーに限定されたものではありません。部下に対し、具体的な未来を想像させること。そして、そこに向かってそれぞれが努力を続けていく。これは、昨年ブームになった"マネジメント術"にも通じるものがあるのではないでしょうか。

 誰しも、個人の努力だけでは限界があります。ましてや、チームプレーが必要となるサッカーならばなおさら。リーダーである監督が効果的なマネジメントを行うことで、個々人の限界を超えた能力を発揮することができ、弱いチームが強いチームを倒すという「ジャイアント・キリング」を起こすことができるのです。



『ジャイアントキリングを起こす19の方法』
 著者:
 出版社:東邦出版
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