会社も社会も頼れない時代の20代・30代の不安解消法

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 「今まで仕事ばかりしてきて、将来のことを何も考えていない…」
 「同期の同僚たちは結婚したり、昇進したり…。なのに自分は何をしているんだろう…」
 「本当はやりたいことがあるんだけど、将来が不安で決断できない…」

 こんな風に毎日思いながら、会社に出勤していませんか?
 この不況の時代、自分のやりたいことをするにも、大きなリスクが発生することがあります。それでもなくとも、仕事に忙殺される毎日。安息の時間も取れず、プライベートを犠牲にして仕事をしている自分は何を目指しているのか…。
 現代の若手ビジネスパーソンは、もしかしたら様々なジレンマや不安を抱えているのではないでしょうか。

 3週に渡ってお送りしてきたシリーズ「20代の働き方」。第1回は30代のビジネスパーソンたちに聞いた“20代の自分”を、第2回は世に出ている20代の働き方をテーマとした本を取り上げました。
 この2回を通して分かったことは、20代、そして30代という年齢は、自分自身のことを見直し、将来の自分を考え、充実した人生を送っていく上で最も大切な時期であるということです。
 では、自分自身を見直し、今ある不安を解消し、毎日を充実させるためにはどうすればいいのでしょうか。最終回となる今回は、将来の不安を解消するための具体的な方法を『29歳からの人生戦略ノート』(金田博之/著、日本実業出版社/刊)からご紹介します。

 ◇   ◇   ◇

■「3つのすべきこと」を明確にする
 冒頭のように、本当はやりたいことがあるのに何をしていいのか分からない、将来のことを全く何も考えられないというのは、よくある話だと思います。特に20代も終わりに近づいてくると、「いつまでもこんなことをしていいのか…」と不安がどんどん増していくのではないでしょうか。
 金田さんはまず本書の中で、以下の「3つのすべきこと」をあげます。

・「今やるべきこと」
・「将来目指すべきこと」
・「自分が大切にすべきこと」


 この3つを明確にすることで、自分が今、抱えているネガティブな感情に対処することができるといいます。将来が不安なのは、「将来目指すべきこと」が決まっていないか、もしそれが決まっていても「本当にその目標に達するために自分が進んでいるか分からない」からです。そして、「将来の目標」と「今やるべきこと」を決める上で大切なのが「自分が大切にすべきこと」、つまり、自分の軸です。この3つがガッチリ合わさっていないと、自分の思う通りに成長することは出来ません。
 では、具体的に将来と今のギャップを埋めるにはどうすればいいのでしょうか。

■PDCAサイクルをノートで人生戦略を組み立てる
 「PDCAサイクル」をご存知ですか?
 これは、事業活動において管理業務を円滑するの手法の1つです。Pは「PLAN」、つまり「計画」を意味します。Dは「DO」、「実行」のことです。Cは「CHECK」、「評価」です。そしてAは「ACT」、「改善」です。
 本書では、この「PDCAサイクル」に合わせて、人生戦略を組み立てていきます。金田さんはこう言います。

 「戦略とは、日々実践していく中で、たえず改善を繰り返すものであり、最終的に自分の腹に落ちるものにする」こと(p27)

 その「PDCAサイクル」を実践し、常に改善を繰り返していくために必要なツールとしてあげられているのが“ノート”です。本書で「人生戦略ノート」と呼ばれているノートは6種類から成り、それぞれ目的に応じて違うことを書き込んでいきます。

☆評価(C)…「成長日記」
 「人生戦略ノート」の最初のステップであり、1日の小さな成功体験をノートに記録していきます。日々のちょっとした成果が後々に財産となります。
☆改善(A)…「虎の巻」「ストレスノート」
 「成長日記」を通して得られた過去の成果をノートにまとめていきます。「こうすれば上手く効率があがる」「こういうことに自分はストレス耐性がない」といったことをノートにまとめることで、自分をコントロールできる“オリジナル・ビジネス書”が出来ます。
☆計画(P)…「人生計画ノート」
 これまで得られた気づきの中から、「憧れ」と「願望」の2つの視点で人生の計画を整理していきます。この2つをもとに、中期的な視点に立った戦略を効率的に作ります。
☆実行(D)…「実行約束ノート」「ビジョン決定ノート」
 これまで実行した結果をもとに、行動法則を導き出します。ビジョンや信条はいきなり作成するのではなく、日々の実行力をまず高め、その実践した結果を丁寧に拾い上げることからはじめましょう。

 金田さんはこの中でも特に「評価」と「改善」の部分を意識すべきと言います。では、その「評価」と「改善」の中から2つのノートの具体的な書き方についてご紹介します。

●全ての核になる「成長日記」
 「成長日記」はPDCAサイクルのすべての核に位置づけられるノートです。
 これは、その日起こった「小さな成功」を1行ずつ記録し、その1行に対して「次にやりたいこと」を1行書き加えていくだけのシンプルなものです。
 このたった2行の文章が、さまざまな行動につながり、より大きな成果を生み出していきます。もし5年間続けたら、1500以上の小さな成功とやりたいことが生まれることになりますよね。ここに書かれたこと1つ1つがあなたの不安を払拭していく糧となるのです。

●自分をコントロールするための「ストレスノート」
 仕事が上手くいかなかったり、やりたいことができていなかったり、何より人間関係に悩まされているときはストレスが溜まるものです。しかし、自分に周囲の環境をコントロールできる力がないのであれば、自分自身をコントロールします。そのツールが「ストレスノート」です。

 成長するためには日々取り組むと同時にストレスに対しても、その行動や対策を講じる必要があります。金田さんは、ストレスはノートで“かき消す”といいます。つまり、ノートにストレスを書き出して、頭の中を一度整理します。その上で、冷静に書き込んだ内容を振り返ってじっくり対策を練るのです。
 書き込まれたその内容を見てみると、多くは思い過ごしや考え過ぎからくる不安だったのではないでしょうか。プレッシャーや責任、目に見えない未来の不安などは成長する段階で必ずつきまとうものです。そのためにストレスの克服する方法を身に付けるのです。

 『29歳からの人生戦略ノート』には他に4つのノートの書き方が説明されており、6つのノートを駆使することで、自分の人生戦略を計画し、実行に移し、そして改善を行ってより良いものにしていくことができます。

 このノート活用術は、20代から30代の若いビジネスパーソンは実践して損はないはずです。冒頭にも述べたように、社会に出てから数年が経過した20代から30代という年代は、一度それまで自分を見直すのに最も大切な時期です。
 本当に自分のやりたいことをするために、自分の時間を管理してプライベートを充実させるために、是非試してみてはいかがでしょうか。
(新刊JP編集部/金井元貴)

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